「俺たちのフィールド」は村枝賢一によるサッカー漫画で、1990年代に週刊少年サンデーで連載されていました。
Jリーグが開幕され、サッカー人気が頂点に達していた頃から、サッカー日本代表が初めてワールドカップに出場し日本中が沸いた1998年頃に大人気を博していた、ド真ん中サッカー漫画です。
サッカーに関する漫画は、たくさんありますが、村枝賢一の書く筋肉の躍動感は、力強い臨場感があり、めちゃくちゃカッコいいです。
俺たちのフィールドとは?
日本にプロサッカーが出来る直前から、1998年フランスワールドカップ本戦に日本が初めて出場するまでを、主人公である高杉和也の成長とともに追っていくリアリティのあるサッカー漫画です。
俺たちのフィールド、通称「俺フィー」は、大きく分けて少年編、高校選手権編、アルゼンチン留学編、Jリーグ編、ワールドカップ編という5部の構成になっております。
少年編
少年編では、これから最終話まで永遠のライバルとなる騎馬拓馬との出会いを中心にストーリーが進んでいきます。
少年期の友達であり、ライバルである者に対する独特の感情が、すごく共感できます。
和也が、家で一人で晩御飯を食べながら騎馬拓馬のことを考えているシーンが非常に印象に残ります。
それに比べ、小さな頃から何でも与えられて、恵まれすぎている中で悠々とサッカーをしている自分の環境が悔しくて仕方ありませんでした。
高校選手権編
高校選手権編では、トリックスター磯野拓郎との出会い、そして和也の父親と深い関係を持つ末次浩一郎との出会いが描かれています。

©村枝賢一/小学館

©村枝賢一/小学館
どちらもこの漫画では重要なキャラクターです。
アルゼンチン留学編
その後、アルゼンチン留学編では、和也がダミアン・ロペスと出会い世界との差を感じることとなります。当時の日本サッカーのレベルと世界との差をうまく表現していて、現実感があります。

©村枝賢一/小学館
アルゼンチン留学編での名言「アルゼンチンのサッカーはな…腕でやるんだよ」は、日本人のクリーンなプレーに対する、世界のサッカーの勝利に対する執念を説いた、衝撃的な名言です。

©村枝賢一/小学館
Jリーグ編
そして、アルゼンチン留学を終えた和也が日本に戻ってくるJリーグ編です。
ここでは、人気のないクラブチームが資金面で困窮し、存続の危機に立たされている様子が他のサッカー漫画にはないリアリティを生んでいます。
クラブチームの勝利のために、テクニシャンである騎馬拓馬がドリブルを捨ててワンタッチゴールを狙う姿は、勝ちへの執念を感じるシーンです。

©村枝賢一/小学館
ワールドカップ編
最後がワールドカップ編です。
チームが内部分裂を起こす危険性を抱えながら、徹底的にライバル争いさせ、怪我人続出の中勝ちあがっていく姿は、アジア予選の厳しさを改めて教えてくれます。
鹿野日本代表監督の名言。当時衝撃を覚えた言葉です。長いですが、いまだに忘れることができない名言です。
「2002年大会の開催国を・・日本は「半分」とはいえ引き受けてしまった。その事にも、大きな責任があるんだぞ!協会員であるあんたらに、今更ながら教えてやる。「サッカー」とは・・宗教、言語、人種全てを問わず、世界中で理解されている唯一のスポーツだ。次のフランス大会に出場できなくとも、日本は、2002大会に開催国特権で自動的に出場できる。それが、どういう事かわかっているか!?今度の予選に勝ってフランス大会に出場しなければ・・「弱き国・ニッポンは金の力でワールドカップに初出場した」――と、世界中から言われるんだぞ!!第一回ならともかく、60年も続いた大会に「開催国初出場」の記録を残す事は・・サッカーを愛する人間にとって――――永久に消える事のない・・・・恥だ!!」

©村枝賢一/小学館
このように、俺フィーには、泥臭い、男臭い名言が盛りだくさんです。
ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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