「ばらかもん」は、珍しい書道+田舎の島という組み合わせの漫画です。
作者のヨシノサツキが島育ちということもあり、田舎あるあるがとても面白い作品です。
『とめはねっ! 鈴里高校書道部』のような部活動の青春を描いた熱い書道マンガもいいですが、ゆったり落ち着いた雰囲気のマンガを読みたいときにオススメしたいのが「ばらかもん」です。
あらすじ
主人公の半田清舟は、書道の名家に生まれたおぼっちゃんです。
書道界の重鎮に自身の作品を酷評されて殴ってしまい、その罰として父親の半田清明(超有名な書道家)に、自然豊かな五島列島のある島へ送られてしまいます。
何不自由なく育った半田清舟は、生活能力がなく、また、書道しかして来なかったため、一般人の常識もあまり理解できず、人が苦手という、結構どうしようもない人物です(ただしイケメン)。
でも、この漫画では、一切イケメン力によるラブストーリー展開が行われません(安心)。
そのへんについては、スピンオフ漫画「はんだくん」に詳しく描かれています。
島流しとなった半田清舟は、琴石なる(小学1年生)や、他のいたずら好きだけど、人懐っこくて優しい島の人々と出会います。
自由奔放で距離感が近い島人たちの行動に巻き込まれていく半田清舟は、段々と人付き合いを克服し、また自炊生活を行う中で人として成長していきます。
普通の漫画なら、ここで、人として成長した半田清舟が、書道家として新しい境地に達し、大成功をおさめる結果となります。
しかし、この漫画は、そういったGOODエンディングに向かわず、ただただゆるーい感じで日常が進んでいきます。それがこの漫画の一番大事なポイント「安心感」です。
見どころ
基本的にはゆるーい感じのコメディに、時々、人間の温かみにほろっとする感動のストーリーが入っているところが、いいアクセントになっています。
名言
基本的にはゆるいマンガなのですが、たまにさらっといいことを言います。
料理人になりたい夢を持っているヒロシだけど、特に目立った才能があるわけでもなく、進路に悩んでいました。
そこで半田が言ったのが、
「必要なのは確信じゃなくて覚悟だろ。最近の若者は夢を叶えるのに他人の太鼓判をほしがるのか?」
という言葉。

©ヨシノサツキ/スクエアエニックス
ただのお笑い漫画と思いきや、結構感動できる、温かい作品です。
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