「IZO」は2008年に劇団☆新感線プロデュースにより公開された舞台です。
人斬り以蔵と呼ばれた岡田以蔵の人生を描いた物語を元にした舞台のため、劇団☆新感線では珍しく、非常に暗い内容です。
豪華俳優陣が参加
主人公の幕末の「人斬り以蔵」こと岡田以蔵をV6の森田剛が演じ、以蔵が思いを寄せるおミツを戸田恵梨香が演じます。
また、歴史上は以蔵を利用していたように描かれることが多く、難しい役どころであり重要人物である武市半平太を田辺誠一が演じます。
さすが、劇団新感線プロデュースだけあり、後ろのスクリーンの映像効果や、血しぶきの効果などは舞台とは思えない迫力があります。
岡田以蔵とは?
岡田以蔵は、幕末に暗躍した、土佐藩出身の人斬りです。
郷士という、武士と農民の間の身分に生まれました。
武市半平太が結成した尊王攘夷を目指す土佐勤王党に参加し、攘夷反対派の人物たちを暗殺していきました。
「人斬り以蔵」という名前のせいでイメージが良くないですが、これは後世に司馬遼太郎の小説によって名付けられたもので、当時は「天誅の人」と呼ばれ、正義の味方という考え方をした人たちもいました。
森田剛の演技がすごい
岡田以蔵は、貧しく身分の低い家庭の生まれで、学が無く、周りの人間に利用され人斬りとなったとされています(諸説あります)。
その岡田以蔵の純粋で人に利用されやすい性格を、森田剛が上手く演じていて、この舞台に一番大切な哀愁が、とても良く表現されています。
カメレオン俳優、戸田恵梨香は、以蔵を思う幼馴染の役を、かわいらしくも力強い女性として見事に演じております。
この舞台は、武市半平太を志の高い、立派な人物として描き上げ、以蔵との信頼関係を美しく描いております。そのあたりは、現在の歴史の解釈とは違うところもあり、賛否両論があるかもしれませんが、私個人的にはとても美しいエンディングで感動しました。
劇団☆新感線の他の舞台
劇団☆新感線のイメージを壊す新たな挑戦・舞台「蜉蝣峠」の感想
宮藤官九郎と劇団☆新感線のタッグ舞台「メタルマクベス」2007年内野聖陽・松たか子ver.
コメント