「そこまで言って委員会」は、元々は、やしきたかじんと辛坊治郎が司会者として、辛口コメンテーターを集め、世の中のニュースを辛口で斬りまくる関西のTV番組でした。
やしきたかじん亡き後も、彼の意志を次いで番組を継続しました。
他の番組では絶対に話せないような歴史的、宗教的な話にも斬りこんでいきます。
その中でも、戦争に関するタブーに斬りこんだのが「戦後70年の真実」のDVDです。
昭和天皇と激動の時代~昭和天皇実録~
昭和天皇の生涯を記録した、昭和天皇実録が書籍化され販売されることとなった際に放送された回(2015年3月29日放送)です。
昭和天皇が実際に政治に自ら介入したのは、2度、2・26事件の際と、終戦の決定の際です。
その際に、陛下がどのように考えていたのかを、議論しています。
陛下は、天皇自身が政治に介入することを良しとせず、開戦にも反対であったが、政府、軍部の開戦決定に仕方なく了承しました。
このへんまでは、歴史的な事実を述べているだけですが、途中から、「じゃあ、明治天皇がずっと生きていたら、開戦は止められたのか」という面白い話題で意見が分かれます。
武田氏の「あの戦争は、僕が指揮していたら勝っていた」という暴言も飛び出します。
そして、議題は、「天皇は日本国憲法をどう考えたのか」に変わります。
ここでは、田嶋先生の憲法9条に関する考えと、他の先生方の意見がぶつかります。この番組ではよく見る光景です。
「沖縄は悲劇の島なのか?」徹底検証スペシャル
2015年7月15日放送の回を収録したものです。
沖縄国際大学の前泊博盛教授と元参議院議員の喜納昌吉氏をゲストに迎えての放送です。
まず、沖縄県民は日本人なのか、異民族なのかという議論から始まります。
そして、明治政府の琉球征伐は、侵略なのか、違うのかで議論が白熱します。
沖縄から来たゲストの方たちと、レギュラー陣が言い争いになり段々と殺伐とした空気になっていきます。この番組の真骨頂です。
話が混とんとしてきたので、一旦次の議題に移り、沖縄戦の悲劇についての各人の考えについて、話していきます。
しかし、ここでも、ゲストの方の「沖縄は最大の被害者である」という考え方と、レギュラー陣の「戦争の被害者は日本中にいる。沖縄だけが被害者ではない」という意見が正面からぶつかります。
議題が、「沖縄占領から日本復帰まで」に変わります。
沖縄は米軍の占拠により発展した部分もある。という意見から議論が白熱します。
最後に、議題が「現在の沖縄」に変わります。
まあ、最後まで議論は一向にまとまらないまま、みんな言いたい放題です。
でも、それが最高に面白いです。
「韓国はなぜ反日なのか?」徹底検証スペシャル
ディスク1で天皇について、ディスク2で日中について議論した回が収録されていますが、ディスク3は日韓についてです。
2015年6月21日放送分です。
日韓国交正常化50周年を記念して放送されたのですが、そもそも、50周年は全く話題にならず、私は知りませんでした。
ゲストは、元駐日韓国大使館公使のホン・ヒョン氏、東海大学の金慶珠(キム・キョン・ジュ)准教授、大阪市立大学大学院の朴一(パク・イル)教授の3人です。
特に、金准教授は、超毒舌の論客で、今や、この番組の名物コメンテーターとなっています。
まずは、日韓併合について、韓国人はどう考えているかについての議論です。
番組名物、竹田恒泰vs金慶珠が勃発。
そこに、他の人たちも加わり、嫌韓vs反日みたいな状況となり、収拾がつかない状況となっています。
その後、現在(2015年ですけど)の反日感情はどのくらいか、という議題に関しては、ゲストの方たちの以外な回答がとても面白いです。
戦後GHQ支配~日米関係
2015年9月13日放送分です。
ゲストは、ケントギルバード氏と、ロバート・エルドリッヂ氏です。
太平洋戦争は、アメリカの陰謀ではないか、という議論から始まります。
当時のアメリカ大統領ルーズベルトが何を考え、どう判断したかは、本人しか分からず、真相は解明しようがないですが、その中で各人、様々な資料を読み解き、意見がバラバラなのが面白いです。
そこから、日本はなぜ開戦に踏み切ったのか、みたいな議論に発展していきます。
そして、アメリカは真珠湾攻撃を知っていたのか、という話になります。
議題が変わって、「原爆投下はホロコーストか」という内容です。
議論を聞いていて思うことは、戦争を終結させるために、原爆を落とす必要があったのかどうか、というのは日米間で永遠に解決しない問題のような気がします。
まとめ
とにかく、この番組の中でも、議論が紛糾する議題の回を選んでDVD化しておりますので、視聴者は出来るだけニュートラルな視点で観るのが、一番楽しいと思います。
どちらかの意見に偏って観ると、相手方の意見がイライラしてしまいます。
歴史上の問題は複雑に絡み合っていて、単純には語れないですが、いつかは全てが解決されて、平和な世界が訪れることを願ってやみません。
コメント