いのうえ歌舞伎の代名詞「髑髏城の七人」1997年版の感想

髑髏城の七人 1997 演劇
©ヴィレッヂ

髑髏城の七人は、1990年に初演されて以来、何度も何度も再演されている、いのうえひでのりが演出を担当し、劇団☆新感線が演じる舞台の中でも大人気の作品です。

今回紹介するのは、DVDで映像化されている髑髏城の七人のうち、最も古い1997年版です。

主役の「玉ころがしの捨之介」を演じる古田新太がまだ32歳の頃の演技ですので、活劇(通常の舞台の殺陣のことをいのうえ歌舞伎ではそう呼びます)がキレッキレです。

 

髑髏城の七人のあらすじ

本能寺の変で織田信長明智光秀に討ち取られて8年が経過した時代が舞台です。

本能寺の変が西暦1583年、豊臣秀吉の太政大臣就任が西暦1586年、豊臣秀吉が、奥羽を平定し、全国統一を果たしたのが西暦1591です。

ちょうどこの全国統一頃がこの演劇の時代背景です。

大阪を拠点とする豊臣秀吉に対し、関東は、天魔王(てんまおう)と呼ばれる仮面の男が率いる「関東髑髏党(かんとうどくろとう)」に支配されていました。

関東髑髏党に追われていた少女、沙霧(芳本美代子)を偶然助けた捨之介(古田新太)は、そこで知り合った狸穴二郎衛門(こぐれ修)とともに、友人の無界屋蘭兵衛(粟根まこと)を頼って「無界の里」へと向かいます。

しかし、無界の里は髑髏党の襲撃を受けてしまいます。

捨之介は関東髑髏党を倒すことを決意します。

捨之介と天魔王と蘭兵衛の関係が、物語の中で明かされていきます。

これが、この物語の一番大事なポイントなので、ネタバレはなしにしておきます。

髑髏城の七人の人気のポイント

捨之介とその仲間たち、関東髑髏党に加え、極楽大夫(高田聖子)が率いる一派、兵庫(橋本じゅん)が率いる関八州荒武者隊など、出演者が非常に多い大舞台です。

通常、役者が多すぎる舞台では、物語がぐちゃぐちゃになり、観客はストーリーを理解するだけで頭がいっぱいになります。

しかし、この髑髏城の七人では、役者をうまく使いながら、シンプルなストーリーで進んでいきますので、苦労せずに観ることができます。

3時間近い舞台ですが、ストーリーに引き込まれて、あっという間に終わります。

いのうえ歌舞伎らしく、随所にストーリーと関係ない笑いの要素がちりばめられています。

ときどき出てくる、サンシャイン60のくだりが、個人的にはとても面白かったです。

ラストバトルの壮大な演出と、大人数での斬り合いは、めちゃくちゃ格好いいです。

そして、ストーリーの心臓である、最後のどんでん返しは痛快です。

さすが名作と呼ばれ続けているだけはあります。

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