東日本大震災の岩手の津波の映像をまとめた「3.11岩手・大津波の記録」

3.11東日本大震災 ドキュメンタリー
©IBC岩手放送

日本人が絶対に忘れてはいけないこと。2011年東日本大震災。

しかし、記憶は少しずつ風化していき、いつしか日常生活の中で薄れていきます。

このDVD「3.11岩手・大津波の記録」は、2011年3月11日に東日本を襲った大地震における、岩手県内の津波被害の様子を記録したカメラ映像をまとめたものです。

岩手県では4674人もの犠牲者を出し、宮城県の死者9540人に次ぐ多さでした。

忘れてはいけない大切な映像の数々を残した貴重なDVDです。

後世に語り継ぐべき大切な資料です。

PART1 12市町村を襲った大津波

冒頭から1時間半は、各市町村で撮られた津波が襲ってきている映像です。

素人の方が撮られた映像もたくさんあり、映像とともに記録されている人々の声にならない声が、事態の悲惨さを物語ります。

映像の中では「防潮堤って何なんだ!意味ないじゃないか!」という声がたくさん聞こえてきます。

ただただ悲鳴を上げ続ける人、神に祈る人、事態を飲み込めず「えっ?えっ?」と言い続ける人。

生々しい人の声が、この津波の想像を超えた甚大さを物語ります。

PART2 被災地の生活、復旧・復興の歩み

津波が去った直後の空撮映像から始まります。

巨大な船が建物に乗り上げている映像、鉄橋が崩れ落ちている映像、10メートルを超える堤防が壊れている映像。

どれほど大きな津波を予想して巨大な堤防を建設しても、自然の驚異は簡単にそれを超えていきます。常に安心せず、備えておくことの大切さを物語っています。

 

次に自衛隊、消防隊、海外救助隊による救助活動の様子が映されています。

自衛隊への感謝の気持ちを込めた言葉がとても心に刺さります。

人間同士の助け合いの尊さを感じます。

 

そして、災害から1か月後、避難所の様子。被災者供養の映像で住職が涙ながらに「生きている我々も地獄である」という映像。

生き残った人々にとって一生忘れることのできない悲しい出来事だったことを改めて痛感させられます。

 

 

その後、徐々に街が復興していく様子が撮影されています。

嬉しそうに漁をする人たちの笑顔が印象的です。

PART3 繰り返されてきた津波の歴史

1896年のマグニチュード7.6の地震による明治三陸津波ではの1万8000人もの死者を出した記録が残っています。とんでもない数の被害者です。

この後に起こる数々の津波でここまでの被災者を出していないのは、この震災での経験が生かされたからなのかもしれません。

1933年のM8.3の昭和三陸津波は1400人の死者を出しています。

上記2つは映像では残されていませんが、1960年のチリ地震津波による岩手県の被害の様子が白黒映像で流れます。

地球の真裏からの津波の襲来に当時の人々も衝撃だったようです。

その経験を元に、現在では南米大陸の震災でも津波予報が放送されています。

過去の経験が生かされていることを感じます。

PART4 被災地からの教訓と先人の教え

生徒600人がいた釜石東中学校と鵜住居(うのすまい)小学校は、校舎が津波の直撃を受けましたが、一人の死者も出さずに避難しました。

釜石の奇跡と呼ばれました。

が、生徒や先生は「決して奇跡ではなく、普段から訓練している避難を行っただけ」といいます。

一時は指定されていた避難場所に集まりましたが、津波で沈むのではないかと懸念し、先生の機転により、さらなる高台に移動したことが全ての命を救うことになりました。

普段から危機に備えておくこと、備えたことにとらわれすぎず臨機応変に対応することの2つが大切なのですね。

PART5 被災前の12市町村の映像

被災が起こる前の栄えていた岩手の市町村の映像をIBC岩手放送がまとめたものです。

この映像は二度と戻ることのない過去ですが、人々がたしかにそこで生活していた証として残していかなければならない映像です。

PART6 大地震発生直後からの緊急放送

地震で今まさに揺れている状況を、IBC岩手放送のアナウンサーが実況している様子が映っています。

どのくらいの地震が起き、人がどのような対応を行ったのか、これも将来の災害対策に生かすべき貴重な映像です。

この映像から学ぶべきこと

人は、忘れる生き物です。

どんなに覚えているつもりでも、震災が起こった直後の衝撃は少しずつ人の記憶からなくなっていっています。

それでも、忘れないために、未来に語り継ぐために、このような被害が二度と起こらないために、悲しい現実を人々の記憶に残し続けなければいけません。

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