「五右衛門ロック」は、2008年7月8日~28日に新宿コマ劇場で公開された、古田新太を中心とする劇団☆新感線演じる、新感覚歌舞伎です。
劇団☆新感線主宰のいのうえひでのり演出による、いのうえ歌舞伎の作品のひとつです。
いのうえ歌舞伎でおなじみの、古田新太、森山未来、橋本じゅん、粟根まことの他に、松雪泰子、江口洋介、北大路欣也、濱田マリ、高田聖子、川平慈英をむかえ、豪華キャストで贈る珠玉の一作です。
3時間を超えるとても長い舞台ですが、退屈することなく見入ってしまうこと間違いないです。
この舞台の見どころ
- バンドの生演奏によるROCK
- 松雪泰子のお色直しの数々
- 古田新太のいつもの細かいギャグ
- 橋本じゅんと濱田マリのやりとり
- 小道具や光効果、音響の豪華さ
あらすじ(ネタばれなし)
時代設定は、豊臣秀吉の天下統一後から少し経って秀吉が老人となった頃です。
大泥棒・石川五右衛門(古田新太)は、役人・岩倉左門字(江口洋介)に捕まり、処刑されそうになったところを、真砂のお竜(松雪泰子)に助けられる。
お竜や南蛮人ペドロ・モッカ(川平慈英)らの口車に乗せられ、五右衛門が狙うお宝は、南海の島にある秘宝「月生石(げっしょうせき)」
しかし、五右衛門らを乗せた船は猛烈な暴風雨に襲われ、謎の島タタラ島へ流れつきます。
タタラ島の国王クガイ(北大路欣也)の手下たちに捕らえられた五右衛門たち。
そして、その頃タタラ島のクガイ王の首を狙って、島へ乗り込んできたバラバ国のカルマ王子(森山未来)、ボノー将軍(橋本じゅん)、妻・シュザク(濱田マリ)。
五右衛門たち、クガイたち、カルマたち、左門字、それぞれの思惑が絡み合って、物語は思わぬ方向へ。
物語のカギを握るポイント
- クガイ王は一体何者で、何をしたいのか?
- 月生石の秘密
登場人物の元となった人を知ればもっと面白い
石川五右衛門は、安土桃山時代の盗賊です。
一説では盗賊になる前に、伊賀の忍者であったといいます。
舞台でも、伊賀忍者であったことが、ストーリーとして組み込まれています。
当時、豊臣政権は、刀狩りや太閤検地などで庶民から嫌われていたため、権力者だけを狙って盗みを働いた石川五右衛門は、人々に愛されました。
最後は、豊臣の一味に捕まり、釜ゆでにされるのですが、今回の舞台では、釜ゆでされたはずの五右衛門をお竜が助け、実は生き延びていたことからストーリーが進んでいきます。
他の登場人物たちは、実在の人間ではないようですが、江口洋介演じる岩倉左門字は、ルパン三世の銭形警部を、松雪泰子演じるお竜は、峰不二子を意識して演じられているとのことです。
歌舞伎らしい「名乗り」のシーンがかっこいい
この舞台、クライマックスで石川五右衛門と仲間たちが敵を切り倒しながら言う「名乗り」のシーンが最高にかっこいいです。
カルマ(森山未來)「人の心の弱さにつけこみ、ペテン、はったり、うそ八百、正義と自由の名のもとに、お前らだけは許さない。我が名はカルマ。孤高の王子。」
岩倉佐門字(江口洋介)「盗賊退治が本業なれど、情に動くも武士の意地。京都所司代盗賊目付、姓は岩倉、名は左門字。」
真砂のお竜(松雪泰子)「胸に短筒(たんづつ)小股に刀。触ると落ちるよ、その首が。棘(とげ)ある花は闇に咲く。女白浪(おんなしらなみ)、真砂(まさご)のお竜。」
石川五右衛門(古田新太)「さぁーて、どん尻にひけぇしは、浜の真砂(まさご)に天の星、悪に限りはねえけれど、その悪党の上をいく。腹はふてェが器量もデケェ。天下の盗人(ぬすっと)、石川五右衛門。冥途の土産に、、、」
4人「覚えておきな!!!」
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古田新太の劇団☆新感線じゃない舞台「奥様お尻をどうぞ」はクレイジーな内容でした
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