漫画ヒナまつりは、KADOKAWAの雑誌、「Fellows!」で2009年に掲載され、「Fellows!」が「ハルタ」に名前を変更した後も連載が続き、現在も続く人気作品です。
元々それほど知名度のある雑誌ではなかったため、一気には広がりませんでしたが、ジワジワと人気を上げ、2018年にアニメ化されました。
シュール系ギャグ漫画で、出てくるキャラがみんな目が死んでるのに、やたらとスケールの大きい事件が起こりまくります。
もはや誰が主役か分からない
大した野心もないヤクザ新田義史とやる気のない超能力者少女ヒナが起こすシュールすぎる展開が当初のおもしろポイントでした。

©大武政夫/KADOKAWA
しかし、次に出てくる超能力少女アンズの貧乏感動話や、完全な普通人なのに圧倒的経営の才能を発揮するヒナの同級生三嶋瞳たち、脇役キャラのストーリーがあまりにおもしろすぎて、漫画がとんでもない方向へ走り出してしまいます。

©大武政夫/KADOKAWA
キャラが立ち過ぎた脇役たちの暴走が、むしろこの漫画の人気になっています。
人気キャラ紹介
新田とヒナ
壺を集めるのが趣味で、特に何の才能もない新田の元に、ある日突然タイムカプセルのよう転送装置に入った少女ヒナが現れます。
ヒナの圧倒的な超能力によって、新田はヤクザ事務所内で勝手に勘違いされてどんどん出世していってしまいます。
しかし、新田は根はすごいイイ奴なので、ヒナに子供らしく育ってほしいと思い、超能力を使わず普通の中学生として育ってほしいと思い学校へ通わせます。
しかし、ヒナは超能力を使わなければ、力が暴走してしまい、時々大事件を起こす。それがめぐりめぐって新田を出世させ、新田は若頭となり周りの組から最強の男として認識されます。
その後、ヒナは高校生となり、何となく常識を身に付け、普通の目の死んだ女子高生となります。
このへんから、何となくヒナは主人公っぽくなくなり、他のキャラクターがどんどん前へ出てくるようになります。
アンズ
ヒナと同じ超能力者ですが、元々はヒナを処分するために、謎の組織から派遣された女の子。
元々ヒナより超能力は劣っていたため、負けてしまい、転送装置も壊れてしまい、戻れなくなってしまいます。
行き場をなくしたアンズはホームレスとして生きていくことになりますが、周りのホームレスたちから生き抜く術を教わり、何か、感動的なストーリーになっていきます。
そして、住んでいた公園が自治体の整理にあった後は、中華料理店「来々軒」の林夫妻に育てられることとなりました。
林夫妻との感動のストーリーの後、アンズは独り立ちし、屋台で細々とラーメン屋をします。
超能力使えば何でも思い通りになるはずなのに、なぜか苦労人の道を突き進むアンズが、とても魅力的です。
マオ
アンズのように、謎の組織から送り込まれた、第三の超能力者少女です。
しかし、転送装置の故障で、無人島にたどり着きます。
地力でイカダを作り脱出したのはいいものの、中国に辿り着き、なぜか気功少女として大人気になってしまいます。
そして、日本に渡り超人フィットネスを経営して大成功します。
三嶋 瞳
この漫画の影の主人公でしょう。最近のストーリーでは完全に主人公です。

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元々はヒナが通う中学校の同級生です。几帳面で断れない性格ですが、どこにでもいる普通の中学生です。
最初は、知り合いの詩子のバーを手伝わされているうちに、持ち前の几帳面さで人気者となり、その人脈で様々な仕事を成功させ、高校生になる頃には全然やりたくもない会社社長となってしまいます。
しかも、実の父が仕事の出来ない部下として会社にいるという、とてもやりづらい状況です。
経歴を詐称して社長をやっていますが、なぜか父親は娘であることに気が付きません。
色々と嫌になって、海外に逃げ出したところ、そこで知り合った人脈から海外の通信会社のCEOとなってしまいます。
この漫画は、超能力は片隅においといて、なぜか三嶋瞳のシュールなサクセスストーリーが全力で展開されています。
アニメ1期の結果と続編
深夜アニメにおいては、視聴率は、ほぼ意味がないと言われています。まあ、高くても2%いかないくらいなので、比較に使えないということでしょう。
これまで特に重要視されてきたのは、DVD(BD)の売上枚数です。しかし、アニメ配信市場が大きくなってきたことにより、DVD(BD)の売上はどんどん落ちてきています。
今は、DVD(BD)の売上はピーク時2005年頃の1500億円(深夜アニメ以外も含まれる)の半分くらいになっています。
しかし、他に明確な比較要素がないため、現在でもDVD(BD)の売上が、アニメの人気を測る大きな指標になっている説が有効です。
さて、ヒナまつりのDVD(BD)の売上はというと、1巻が1000枚くらいだったようです。2~6巻も同じくらいの結果となりそうです。
深夜アニメDVD(BD)は10000枚売れればヒット作といわれています。
ヒナまつりのアニメは、アンケートなどでは常に人気上位であったため、DVDはもっと売れるものだと思っていました。
ギャグアニメはDVD(BD)化すると苦戦すると言われていますが、なかなか厳しい結果となりました。
今回のヒナまつり第1期では、中学生編までで終わっていますので、第2期の高校生編でもっとぶっとんだ瞳ちゃんが観られると思っていたのですが、ちょっと、映像化は厳しそうなようです。
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