エリア51という名前を聞いたことがあるでしょうか。
簡単に言えばCIAが作った秘密基地です。
何もない広い大地に、巨大が施設が建設されました。
アメリカ政府はその存在を隠し、公式には、そのような施設は存在しないと発表していました。
しかし、現在、初期のプロジェクトが機密解除となり、それに関わった人々の証言により、その存在が公のものになりました。
ナショナルジオグラフィック社による「エリア51の真実」は、その秘密に迫ったドキュメンタリー作品です。
エリア51では何が行われているのか?
エリア51は、アメリカとソ連の間で軍事拡張競争が繰り広げられていた、いわゆる冷戦時代に建設されました。
その場所で、アメリカは、ソ連の軍事施設を偵察するための航空機である「U2偵察機」の研究を行っていました。
核開発競争が過熱していた当時において、相手の軍事施設を偵察することは国防上とても重要でした。
当時アメリカ政府は、U2偵察機を気候観測用であると発表していました。
U2偵察機は、通常の航空機よりもはるかに高い高度を飛ぶ必要があるため、軽量化の研究が徹底的に行われました。
アルミがむきだしで、超高度を飛ぶU2は、しばしばUFOに間違えられ、この当時アメリカのネバダ州(エリア51がある場所)では、UFO目撃情報が激増しました。
エリア51で実際に働いていた人たち
このDVDは、エリア51で実際に働いていた人たちのインタビューがメインです。
目立ちたがる人間ではなく、とにかく静かに仕事を遂行する人が集められました。
面接を行う前から私生活を徹底的に調べられ、エリア51で働く人間としてふさわしいかどうか選考されていたようです。
プロジェクトにかかわったものは秘密の厳守を命じられ、それぞれがコードネームで呼ばれ、お互いの仕事が何かすら分からない状態だったそうです。
インタビューに答えているパイロットは、どこで何をしていたのかを家族にすら言えないため、家族に「自分はテレビの修理の仕事をしている」と伝えていたそうです。
あるパイロットは、ロシア側のスパイではないことを確認するために、催眠術をかけられたり、麻酔薬を打たれたりしたこともあるそうです。
新たな航空機の開発
1950年代後半になると、さらに冷戦が激化して、U2偵察機はソ連に打ち落とされる恐れがでてきました。
そこで、アメリカ政府は、新たにオックスカートと呼ばれる航空機の開発に入ります。
時速3000キロで、高度27000メートルを飛ぶ、世界初のステルス戦闘機の開発です。
搭載されるカメラは、このスピードと高さで飛びながら、30cmサイズのものまで撮影できる高性能なものでした。
この極秘プロジェクトのために、エリア51には2000人の職員が働いていました。
ソ連の偵察衛星が通るときには、オックスカートを格納庫へ隠す方法により、秘密を守ろうとしました。
しかし、ソ連は、オックスカートが置いてあった影を赤外線で見て形を予測しました。
そこで、アメリカは、赤外線に反応する塗料で、地面に適当な形の航空機の影を書きました。
理解できないようなやりとりの応酬です。冷戦とは、不思議な戦争です。
現在のエリア51
現在でもエリア51はアメリカの極秘プロジェクトを行うための場所として存在しています。
ただし、その実態は秘密にされたままで、現在何が行われているのかは、誰にも分かりません。
様々な憶測が飛び交い、宇宙人に関する秘密がそこで研究されているのではないか、ともいわれています。
人々の好奇心を掻き立てる面白い施設ですが、戦争のために使われるのでなく、平和のために使われる施設であってほしいと願います。
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