「ふしぎの国のバード」は明治時代の日本の田舎生活が分かる漫画

不思議の国のバード その他
©KADOKAWA/エンターブレイン

「ふしぎの国のバード」は、KADOKAWAの「ハルタ」で連載されている人気漫画です。

明治時代のイギリス人冒険家が、未開の地・日本を旅して冒険記を作る物語です。

ハルタ

©KADOKAWA

ハルタは有名な雑誌ではありませんが、若手漫画家を積極的に起用し、他にはない新しい世界観の漫画を多く持っています。

ふしぎの国のバードのほかに、「乙嫁語り」「ダンジョン飯」「ヒナまつり」などの漫画が人気があります。

乙嫁語り

©森薫/KADOKAWA

ダンジョン飯

©九井諒子/KADOKAWA

ヒナまつり

©大武政夫/KADOKAWA

本作は、明治時代初期に、開国後まもない東京から蝦夷までを歩いて旅し、冒険記録をつけることを目標としたイギリス人女性冒険家、イザベラ・バードのお話です。

また、通訳兼ガイドとして旅に同行した伊藤鶴吉も、この漫画のもう一人の主役です。

主人公のイザベラ・バードは実在した人物

本書に登場するイザベラ・バードは19世紀に本当に存在した女性冒険家です。

イザベラ・バード

世界中を旅して旅行記を出版していました。

1878年に、東京から山道を新潟へ抜け、日本海沿いに北海道を目指しました。

その様子をまとめた「日本奥地紀行」は、日本のきれいな景色や美しい街並みをほめる一方で、発展していない地域を、汚く不衛生であると、正直に思ったことをありのまま記載しているため、当時の日本文化を知る貴重な資料となっています。

日本奥地紀行

©イザベラ・バード/平凡社

また、アイヌ民族については、まだ日本人ですら未開の土地であり、ほとんど研究が進んでいない時代でした。

日本奥地紀行は、当時のアイヌ民族の生活を知るうえでの、重要文献となっています。

 

イザベラ・バードの通訳を勤めた伊藤鶴吉も、実在した人物です。

伊藤鶴吉

漫画中に出てくる伊藤は、寡黙な人物だけど、お菓子が大好きで、和菓子細工に目がないというのは、実在の人物を忠実に再現しています。

英語と歴史が同時に学べる漫画

この漫画は、イザベラ・バードや伊藤鶴吉がしゃべっている部分が英語になっている「バイリンガル版」があり、普通の漫画を読んだ後、このバイリンガル版を読むと、とても英語の勉強になります。

ふしぎの国のバード バイリンガル

©佐々大河/KADOKAWA

明治時代の地方の歴史を学べる

この漫画は、明治時代の日本の東北や北海道を旅した貴重な文献を元にして作られていますので、日本人もほとんど知らない地方の歴史に触れることができます。

当時の日本の文献では、江戸、東京の庶民の生活が描かれていることがほとんどで、日本人の私たちですら、地域の暮らしは知らないことのほうが多いと思います。

明治時代の東北、北陸地方や北海道での日本人の庶民生活を知ることができる、とても良い漫画です。

当時はまだ日本中にインフラが整備されておらず、地方の人々がいかに劣悪な環境で生活をしていたのかが分かります。

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