最終回の解釈は人それぞれ。漫画「アイアムアヒーロー」の感想

アイアムアヒーロー SF
©花沢健吾/小学館

アイアムアヒーローは、ビックコミックスピリッツで2009年から2013年まで連載されていた花沢健吾による漫画です。

ある日突然、謎の感染症によって、人類がゾンビ化(漫画上ではZQNと呼ばれている)していく、ごくごくありふれたストーリーです。

ゾンビ漫画でありながら、結構リアリティのある日常生活や人間の心情が描かれている、絶妙なラインを保った漫画だったのですが、最後の終わり方が意味不明なストーリーになりすぎていて、ファンの間でも賛否両論となっています。

大泉洋主演により映画化もされた大人気コミックです。

アイアムアヒーロー映画

©エイベックス・ピクチャーズ

そもそもゾンビとは

昔からゾンビ漫画、ゾンビ映画、ゾンビ番組でいっぱい描かれてきたゾンビですが、ゾンビっていったいなんなんでしょうか。

起源は、西アフリカでの言い伝えです。

西アフリカにはブードゥー教という宗教があり、呪術で死んだ人を墓からよみがえらせ、魂は抜き取り、奴隷として働かせるという伝説からゾンビは誕生しました。

1960年代の映画「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」によって、ゾンビに殺された人間もゾンビ化する、という設定が足され、現在のゾンビ像が完成しました。

ナイトオブザリビングデッド

©株式会社デックス エンタテインメント

アイアムアヒーローにおいても、ゾンビに噛まれるとゾンビ化するという設定はきっちりと踏襲されております。

さえない主人公という設定がウケた?

主人公の鈴木英雄は、35歳の売れない漫画家で、パッとしない外見で、ちょっと太めという漫画の主人公とは思えない設定です。

鈴木英雄

©花沢健吾/小学館

しかし鈴木英雄の、日常生活ではそれほど必要のない特技が、ゾンビのいる世界で輝きます。

彼はクレー射撃を趣味としており、銃の所持許可を得ていたのです。

 

本人は、別にヒーローになりたいわけではなく、平穏に暮らしたいタイプの人間で、全然ヒーロー向きではありません。

本作に登場するゾンビは、人間離れした身体能力を持っていますが、生きていた頃によく行っていた行動を繰り返し行うという習性を持っています。

また音を立てなければ、人間に気づかないという習性もあります。

その2つの習性を利用すれば、運動能力の低い鈴木英雄でもゾンビと戦えるという設定になっています。

絶妙な設定で普通のおじさんをヒーローに仕立て上げているのがこの漫画の面白いところです。

 

衝撃の最終回(ネタバレあり)

この漫画、なぜゾンビが生まれたのかが全く解明されないままストーリーがどんどん進んでいきます。

そして、物語終盤でゾンビたちが集合して巨大化します。

巨大ZQN

©花沢健吾/小学館

そして、1年後の世界になり、巨大なゾンビは塊となって動かなくなります。

 

巨大ZQN

©花沢健吾/小学館

そして、主人公の鈴木英雄は、誰もいなくなった東京で一人サバイバル生活をしているというオチです。

数々の謎を残したまま、最終回を迎えてしまいました。

結局ゾンビたちは何だったのか。

他に生き残っていたわけありっぽい人たちの秘密はどうなったのか。

 

モヤモヤした最後で、ネット上でも様々な憶測が飛び交っています。

 

結局、「アイアムアヒーロー」は、「私は英雄(えいゆう)」ではなく、「私は英雄(ひでお)」と訳し、ヒーローじゃない一人の人間のリアルな生きざまを描きたかったのではないか、というのが私が好きな解釈です。

ゾンビ・モンスター系の漫画を紹介

悪魔が悪魔を殺すダークヒーロー漫画「チェンソーマン」

ゾンビだらけの世界でいくつ夢を叶えられるか漫画「ゾンビになるまでにしたい100のこと」

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