2019年4月19日より公開された映画「キングダム」を観てきました。
原作漫画の大ファンなのでとても楽しみにしていました。
映画は、オリジナルストーリーではなく、原作に忠実な内容になっています。
その再現度の高さに原作ファンも納得、大変感動いたしました。
個人的に良かったと思うポイント
- 本郷奏多の成蟜(せいきょう)役が完璧な悪役
- 中国で撮られたスケールの大きい自然の映像
- 大量のエキストラを使った巨大な軍隊に圧倒される
- アクションシーンが本格的だった
イマイチだったポイント
- 原作漫画のかなり序盤のストーリーのみだった
- 謄(要潤)の活躍がもっと見たかった
- 河了貂(かりょうてん)が橋本環奈なのは、ちょっと美人すぎないか?
原作の漫画
原作は、週刊ヤングジャンプで2006年から連載され、現在も続いている大人気漫画です。
中国の春秋戦国時代(紀元前3世紀頃)を舞台とし、国内で7つの国が争い、各国が中華統一を目指していた頃です。
中国の歴史と言えば三国志ですが、それよりもっと古い時代のお話です。
基本的には、歴史書上に実在した人物たちが描かれています。
各武将が圧倒的な強さで描かれていて、雑魚兵たちが簡単に真っ二つになります。
人が斬られまくるのにグロテスクさより爽快感を感じる不思議な漫画です。

©原泰久/集英社
各キャストを勝手に評価
主人公 信(しん) 山﨑賢人
主人公の信は、他の屈強な体の武将とは違い、華奢な体つきなので、体形は山﨑賢人でちょうどいいくらいです。
信は、漫画では生意気で目つきの悪い少年なので、山﨑賢人では少しベビーフェイスすぎるだろうと思っていましたが、信の特徴「アァン」っていう感じのにらみ顔が上手かったです。

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会
剣裁きも抜群で、漫画序盤の身軽に飛び回る信の運動能力を見事に再現していました。
秦王 嬴政(えいせい) 吉沢亮
知性的で端正な容姿を持ち、なおかつ力強い意志を持った熱い人間という難しい役どころの、この物語のもう一人の主人公と言える嬴政。
正義も悪役も自在に演じる吉沢亮の演技力がお見事でした。

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会
静かに落ち着いた口調で話すときの、たたずまいの美しさは、さすが国宝級イケメンランキング第一位です。
怪鳥 王騎(おうき) 大沢たかお
漫画キングダムのファンにとって、一番大切なキャラ、王騎。
この王騎を誰がどう演じるかによって、原作ファンの評価が大きく左右されるはずです。
原作では、全くイケメンではなく、しゃべり方も気持ち悪いのに、行動や言動がとにかく格好よく、圧倒的な知性と力を持つ、とにかく演じるのが難しいキャラです。

(C)原泰久/集英社
大沢たかおの役の作りこみがとてもすばらしいです。

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会
王騎がよく言う「ンフゥ」という言葉。
漫画の中では格好良く聞こえるんですが、実写化すると気持ち悪くなるんだろうなぁと思っていました。
大沢たかおの「ンフゥ」は見事でした。
十分に間をとって、この言葉を大切に演じていました。
役に対する深い理解が伝わってくる名演だったと思います。
山の王 楊端和(ようたんわ) 長澤まさみ
絶世の美貌を持ちながら、山の王に君臨し、圧倒的な武力を持つ楊端和。

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会
もっと、背が高くスラっとした女性が演じるのかと思っていましたが、長澤まさみの新たな境地を観た気がしました。
非常に美しく、雰囲気のある楊端和に仕上がっていました。

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会
アクション面は、もう少し思いっきりが欲しかったなぁと思いました。
他の役者さんたちの殺陣がうますぎて、ちょっと長澤まさみが浮いてしまった感じです。
河了貂(かりょうてん) 橋本環奈
漫画では、河了貂は最初みんなから男だと思われていました。
橋本環奈が演じるにはちょっと女性的すぎた気がしました。

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会
もう少しボーイッシュな感じの役者さんが良かったのではないかと思います。
成蟜(せいきょう) 本郷奏多
個人的には、この配役が一番はまり役だったと思います。
とにかく貴族気質で、庶民が嫌いな成蟜のねじまがった性格をうまく表現していました。

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会
片方の口角だけを上げて、不敵に笑う表情は、成蟜そのものでした。
壁(へき) 満島真之介
とにかく堅物で真面目な性格の壁。
ザ・公務員みたいなイメージがありますので、もう少し真面目な感じの堅い俳優さんが良かったのかな、と思います。
満島真之介だと、壁のドジな部分が前に出すぎる気がしたんですよね。

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会
平凡な感じをもっと押し出してほしかったです。
謄(とう) 要潤
原作では、国籍不明のヨーロッパっぽい顔立ちの謄。
顔の濃さで要潤が選ばれたような気がしますが、ムダ使いですね。

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会
この映画では、エキストラレベルのちょい役です。
謄の良さである、無表情でもふざけた感じが出るような、そういう役者さんが良かった気がします。
中国映画界の底力
近年映画界では、中国マネーがなければ成り立たないと言われるほど、重要な位置を占めています。
ハリウッド映画でも中国マネーは今や欠かせないものとなっています。
本作でも、舞台が中国であるため、城のセットは中国に頼ることになりましたが、やはりすごいです。
壮大な城の映像は、圧巻です。
個人的には、山の民が住む城の映像が衝撃的にきれいでした。
こちらは、ロケ地が明かされていませんが、とんでもない費用がかかっていることは間違いありません。
続編はあるのか?
今回映画化されたのは、コミックでいうと4巻までの内容(映画公開日現在54巻まで発売中)であり、続編を作ることが前提になっていると思われます。
これから王騎が活躍しそうな伏線もたくさん残していますし、何より要潤の謄があまりにも活躍してなさすぎます。
ネットではすでに、続編で羌瘣(きょうかい)が誰になるのかで盛り上がっています。
続編はいつ公開か、どこまでのストーリーが盛り込まれるのか、今から楽しみで仕方ありませんね。
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