「ルーズヴェルト・ゲーム」は、TBSで2009年4月から2010年2月の日曜夜9時に放送されていた唐沢寿明主演のドラマです。

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原作は、半沢直樹で一世を風靡した池井戸潤の小説です。
米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が、野球は「8対7」で決着する試合が一番面白いと言ったことから、点を取られては取り返す白熱したゲームをそう呼ぶようになりました。
大逆転を目指す中小企業、青島製作所の戦いを野球の「ルーズヴェルト・ゲーム」になぞらえて描いた作品です。
いつもの池井戸潤作品らしく、サラリーマンの奮闘が描かれている物語に、野球のスポーツ根性もの要素を取り入れた熱い作品です。
あらすじ
デジタルカメラのイメージセンサーという部品を作る高い技術力を持つ中小企業の青島製作所は、ライバル会社イツワ電器の策略により、経営悪化を招き倒産寸前となります。
イメージセンサーはSONYが世界トップの技術を持っています。
主役は、先代社長の青島 毅(山﨑努)から新社長を任された細川充(唐沢寿明)です。

青島毅/©TBS

細川充/©TBS
本来は、たたき上げで出世した専務、笹井小太郎(江口洋介)が社長になるはずでした。

笹井小太郎/©TBS
しかし、先代は数年前に外部からやってきてイメージセンサー事業で大きな功績を上げた細川充を新社長に任命したのでした。
車内でも新社長に対する反対派が多く、細川充は内にも外にも敵だらけの中、企業の立て直しに挑みます。
細川充は経営改善のため、自社の野球部を廃部にすることを決定します。
負けたらその時点で廃部となる中、野球部は最後の大会に挑みます。
ルーズヴェルト・ゲームの見どころ
主役の細川充が正義か味方か分からない
このドラマは、池井戸潤作品では珍しく、主役の細川充が社内であまり社員たちの人気がありません。
外部からやってきた社長ということもあり、冷徹な経営を行うイメージを持たれています。
逆にライバルの笹井小太郎は、たたき上げの専務で社員たちからの信頼も厚いです。
この二人の争いが最後までドラマを盛り上げます。
池井戸作品の名物、香川照之の怪演
このドラマの見どころは、青島製作所の重要な取引先Japanixの社長である諸田清文を演じる香川照之です。
池井戸潤ドラマでの悪役っぷりが、もはや名人芸になっていますが、相変わらずの顔芸です。
怒り笑いの顔は本作でも健在です。

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平井理央が良い悪役
もう一人、このドラマで異彩を放っているのが、ライバル会社のイツワ電器の社長秘書である花房志保を演じる平井理央です。
笑顔で落ち着いた口調なのに、ものすごい悪役感が伝わってくるのは彼女独特のオーラが作っているのでしょう。

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普通に野球ドラマとして観ても満足できる
個人的に一番良かったのは、野球部を演じる役者たちがみんな野球がうまいってことです。
普通スポーツ系のドラマは、素人まるだしの動きをすることが多いんですが、このドラマの野球部の人たちは経験者たちを集めているらしく、練習でも試合でも動きがなめらかです。
会社どうしのドロドロの人間関係と、野球の爽やかさを合わせたドラマ、池井戸潤らしく最後には爽快感がある作品です。
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