副業時代のヒントになる「凡人起業」のポイントをまとめました

凡人起業 投資・金融・会社経営
©CCCメディアハウス/小原聖誉

「凡人企業」の著者小原聖誉(おばらまさしげ)は、平凡な大学(自称)を一年留年して卒業し、15年会社勤めをした後35歳で起業するに至った、自称凡人です。

現在は、株式会社StartPointの代表取締役です。

株式会社StartPointは、起業を行いたい人の支援を行う会社です。

小原聖誉は、自身が凡人であることをよく理解し、他人との競争を避けること、自分の得意なことに特化することにより起業で成功をおさめました。

スマホゲームの中でもAndroid系のアプリに特化したマーケティング支援事業で小原さんがどのように成功することができたのかが本書の主な内容です。

小原聖誉はどのように起業したか

小原聖誉は、大学3年生のときにインターンシップでPCソフトを開発するベンチャー起業の社員として雇われました。

時代は、ドコモのiモードがiアプリに変わり、ファミコンレベルのゲームが携帯電話でできる時代にさしかかっていました。

小原聖誉が就職した同社は、アプリを検索するシステムを作り、大きく成長しました。

そこでの経験から小原聖誉は、つくりたいものをつくるより、時代に乗るほうが大切だと学びます。

その会社での経験を元に、2013年、小原聖誉はAndroidアプリを開発する会社AppBroadCastで起業します。

会社に勤めていた時代から、常に自分が起業するときのことを考えて情報を収集していたため、Androidアプリに詳しくなり、スムーズに起業が行えたそうです。

iPhoneアプリではなく、あえてAndroidを選んだのは、その方がライバル企業が少ないと考えたからです。

自分の弱点を理解して工夫すること

小原聖誉は、自身のさぼりやすい性格をよく理解していました。

一人で起業すると手を抜いてしまうので、1週間に1回株主との打ち合わせ時間をわざと作って手を抜いて仕事をしないよう気をつけました。

相手に嫌がられても無理にでも打ち合わせを行っていたそうです。

起業ならIT関係がオススメ

現代は、今までの時代の起業と違い、起業にコストがあまりかからないことから参入しやすい状況になってきています。

 

特にIT関係では、スマートフォンなどのインフラが整備されたことによって、流通コストなしでサービスが提供できるようになっているため勝負しやすくなっていると小原聖誉は言います。

起業家の資金調達について

小原聖誉が、凡人起業で一番苦労するのが資金調達だと言います。

その苦労を知っているため、小原聖誉は現在はスタートアップ企業を支援るエンジェル投資家の事業を行っています。

凡人起業家が資金を調達するにあたって、一番利用すべきなのがベンチャーキャピタルだそうです。

要するに、ハイリスクハイリターンを狙って、未上場企業への投資を行う投資ファンドを利用するということです。

何の実績もない起業が1年目から銀行で大きな融資を受けられることは期待できないので、ベンチャーキャピタルに頼ることになります。

その際、特に気をつけなければならないのは、優先株だと言います。

優先株に高額の配当を付けたり、会社清算時の優先配当を付けた場合、のちのち苦労することが多いそうです。

投資家に圧倒的に有利な状況で契約してしまった場合、たとえ高額の資金が調達できたとしても、高額の配当に苦しめられ事業がうまく回らない事があります。

また、会社を売却してイグジットしたい場合でも、優先株があるおかげで、そちらへの配当に売却で得たキャピタルのほとんどを持っていかれ、手元にほとんどお金が残らない事態が発生してしまうこともあります。

事業を成功させる情報発信

起業して間もない頃は、大企業のように広告宣伝費に大量の資金を使うことができません。

それでも現在は、情報発信ツールが発達しており、うまくやれば少ない資金で大きな広告効果を得ることもできます。

小原聖誉は、フェイスブックを使って情報発信をすることに目を付けました。

はじめは、自分がさぼらないように日記のような意味合いでフェイスブックで発信を始めたのですが、次第にその道の専門家から反応が出始めるようになっていき、ビジネスで繋がれるようになっていきました。

その評判が大きくなっていき、この専門分野についてはあの人に聞け、と言われるくらいになるとどんどん仕事が舞い込むようになります。

そうなると、事業はおもしろいように回っていくそうです。

事業の終わり

会社が成長していよいよ飛躍するときに、小原聖誉は困ってしまいます。

第1段階で、広告代理店販売で安定収益を稼ぎ、第2段階でゲームアプリのマーケティング支援事業で大きく成長したのですが、次の段階の成長のためのロケットを用意してなかったのです。

次に事業を大きくするビジョンがなかったのです。

詳しくは記載されていませんが、この検討の甘さが後の会社売却につながっていったと小原聖誉は語っています。

しかし、常に先を見続けて企業を成長させていくことは並大抵のことではないので、ある程度成長したら企業を売却することを視野に入れておくことも重要です。

凡人起業の重要ポイント

とにかく大事なのは、ITで起業することによりコストを抑えることです。

自分の好きなことを仕事にするのはリスクが高く、凡人起業には向きません

もう一点、大事なことは、自分の経験からつながることを起業することです。

過去の経験や人脈を生かして有利に進めるのが凡人起業です。

 

起業にはリスクが伴いますが、特別な才能がなくてもできる環境が現在は揃っています。

会社に勤め、終身雇用で給与をもらい続けて生活することは今後ますます難しくなっていきます。

起業という選択肢を頭に入れておくことで、今後人生のどこかで役に立つ日がくるかもしれません。

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