2007年の正月の深夜にテレビ東京で放送されたバラエティ番組「アドリブキング」。
衣装とキャラ設定だけを与えられた状況でコントを作る、芸人のお笑い能力が問われるバトルです。

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アドリブキング第二弾の感想はコチラ
お笑いの大問題作「アドリブキング」の第2回大会が開催された!
難解なルール設定
- 芸人2人が左右の舞台袖に分けられる
- 開始直前に衣装を着せられる
- 舞台袖でナレーターによる設定発表
- コント開始
舞台に出るまで対戦相手がどんな衣装を着ているか分かりません
- コント中により多く相手を笑わせたほうの勝ち
- 終了の合図はなく、お互いがオチを付けたところで終了
おすすめポイント
- 一瞬の閃きが必要
開始直前に食い入るようにナレーターの設定を聞き舞台に上がり、相手と探り合いながらセリフのジャブを撃ち合い、信じられない緊張感の中で頭をフル回転して言葉を選んでいる芸人たちの表情がたまりません。
- 相手との協力が大事
1対1の対戦方式ですが、対戦者どうしの2人がコントを作るため、お互いの発する言葉を即座に理解して次の展開を作っていく協力体制も必要です。
コントが進むにつれて対戦相手と妙な連帯感が生まれていくのもこのバトルのおもしろいところです。 - 突然のボケに適切にツッコむ技術のすごさ
相手のセリフ次第で自分のセリフが決まっていく圧倒的に不自由な戦いであることが芸人たちをどんどん追い込んでいきます。
- オチを探りながら二人の会話から見つけ出していく
オチのタイミングも自由なので、二人で探り探りやっているのがおもしろいです。
オチに向かっていくはずが、どんどん迷子になっていく芸人たちの苦悶の表情がたまりません。
出演者は?
出演者は以下の8人です。漫才師、コント職人、モノマネ芸人と色んな人が参加しています。
- 中川家・礼二
- 中川家・剛
- インパルス・堤下
- インパルス・板倉
- バナナマン・日村
- バナナマン・設楽
- 森山中・村上
- 清水ミチコ
司会はキャイ~ンの天野ひろゆきと眞鍋かをりです。
トーナメントによる対戦のため組み合わせによりボケ同士、ツッコミ同士の対決もあります。
色んな即興コントが誕生した
- どこにオチを持っていくのかが分からず迷走し、グダグダのオチになってしまったバトル
- しょっぱなからお互い笑いすぎてまともなコントにならないバトル
- なぜか二人の息がぴったりで台本が用意されているかのうようなバトル
斬新なルールが生み出す新しいお笑い
すぐ笑ってしまう芸人が圧倒的に不利というルールの弱点はありますが、斬新なアプローチで、新しいお笑いの形を作ってくれた番組でした。
偶然か必然か、様々な角度から繰り出される笑いについついくぎ付けになってしまう番組です。
また、決勝戦だけは自分でキャラ設定のみ決められるというルールが、大きな混乱と笑いを生むことになります。
M-1やキングオブコントのような、練習に練習を重ね作り上げられた良質な作品も良いですが、その場その場で頭をフル回転して、いびつに積み上げられていく即興コントもまた芸としての美しさを感じます。
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衣装と設定だけ与えられて舞台に出されてコントをする「アドリブキング」
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