ダルビッシュ有・田中将大の甲子園「熱闘甲子園 最強伝説vol.3」の感想

熱闘甲子園 最強伝説3 スポーツDVD
©テレビ朝日

甲子園をあらゆる角度から撮影し、そのドラマを記録し続けている名番組、熱闘甲子園

その過去の大会の中で、記憶に残る、記録に残るすごい試合だけを厳選してまとめた「熱闘甲子園 最強伝説」の第三弾です。

第三弾では2003年の第85回大会から2006年の第88回大会の注目すべき32試合が収録されています。

このDVDのポイント

  • 2003年大会の主役はダルビッシュ有
  • 2004年大会は駒大苫小牧の快進撃
  • 2005年大会の主役は田中将大
  • 2006年大会は田中将大vs.斎藤佑樹

第85回大会(2003年)の見どころ

この年の注目カードは、3回戦の平安高校服部大輔と東北高校ダルビッシュ有の2年生エース対決です。

9回までスコアボードに0を並べ続ける両者。

延長11回、東北高校1年生加藤のタイムリーによりサヨナラ勝ちです。

壮絶な投手戦はダルビッシュ有の勝利に終わりました。

白熱する投手戦に日本中が感動しました。

 

この年もう一つの注目は、決勝戦の東北高校VS常総学院です。

東北勢初の甲子園優勝を目指す東北高校と、名将木内監督の最後を飾りたい常総学院の気持ちがぶつかり合います。

2回、東北高校がタイムリーを重ね、常総学院のエース磯辺を攻略し2-0とします。

しかし、大会中に足を怪我して直球の球速が130キロ代しか出ない東北高校のエース、ダルビッシュ有を常総学院が攻め立て、4回に3点をとり2-3と逆転します。

そこからは投手戦となりますが、8回に常総学院が1点を追加し2-4となります。

そのまま常総学院が逃げ切り優勝。

東北初の優勝は夢と消え、怪物ダルビッシュ有の2年の夏は苦い思い出となりました。

第86回大会(2004年)の見どころ

2004年は、なんといっても駒大苫小牧のための大会です。

前年の84回大会では、8点のリードを奪いながら雨天再試合となってしまい、再試合の結果まさかの1回戦負けという甲子園の歴史に残る敗北を喫した駒大苫小牧の挑戦が始まります。

「今年こそ甲子園で1勝をあげたい。」

ナインの気持ちは一致していました。

そんな控えめな目標とは裏腹に、あれよあれよと言う間に勝ち上がって、決勝へ進出してしまいます。

相手は最強スラッガー鵜久森淳志を要する春の優勝校済美高校です。

鵜久森淳志は、後に日本ハムにドラフト指名を受け、プロ野球で活躍します。

試合は乱打戦となります。取っては取られてのシーソーゲーム。

決勝にふさわしい魂と魂のぶつかり合いです。

最終的には数々の名門校を打ち崩してきた駒大苫小牧の打撃陣が今試合でも爆発します。

13対10というスコアで駒田苫小牧の優勝となりました。

第87回大会( 2005年)の見どころ

2005年大会は史上6校目の夏の甲子園連覇を目指す駒大苫小牧と京都外大西によるフィナーレの舞台が用意されました。

過去の夏の甲子園連覇校
  • 和歌山中(1921-1922)
  • 広島商(1929-1930)
  • 中京商(1931-1932-1933)
  • 海草中(1939-1940)
  • 小倉(1947-1948)

 

1回に両投手の立ち上がりを攻め、両チーム1点ずつを奪い1-1となります。

駒大苫小牧エース松橋が4回に連打を浴び満塁のピンチとなったところで早々に投手交代。

登場したのは、駒大苫小牧の背番号11田中将大です。

このピンチを無失点で切り抜けます。

5回、6回に味方から1点ずつの援護をもらった田中将大でしたが、7回に京都外大西打線に捕まり2点を取られてしまい3-3の同点となります。

しかし駒大苫小牧打線は7回裏に2点を奪い、大事な局面でリードを奪います。

毎回のようにランナーを背負いながらも要所要所を締め最少失点で切り抜けていく田中将大

9回までを投げきりそのまま5対3で駒大苫小牧の優勝。

田中将大の伝説が始まった瞬間でした。

第88回大会(2006年)の見どころ

2006年の第88回大会は、今も覚えている人が多い甲子園でも屈指の名勝負が繰り広げられた大会です。

早稲田実業斎藤佑樹駒大苫小牧田中将大

早稲田実業の斎藤佑樹は、ハンカチ王子として甲子園を大フィーバーさせます。

対する駒大苫小牧は、前々年、前年の夏の甲子園の覇者であり、史上2校目の甲子園3連覇を目指します。

1931年から3連覇した中京商業が唯一の3連覇校でした。

駒大苫小牧の田中将大は前年夏の甲子園の優勝投手であり、大会ナンバーワンの名に恥じぬ投球を行ってきました。

その両者がぶつかる決勝戦、お互いに15回を投げぬき1対1の引き分け再試合となります。

決勝再試合は甲子園史上、過去1度しかない歴史的な出来事です。

駒大苫小牧は、田中将大が腕のハリを訴えていたため、二番手投手からスタートです。

しかし、1回で連打を浴び、得点される前に早くも田中将大を投入します。

しかし、安定しない田中将大は1回、2回に1点ずつを取られてしまいます。

対する斎藤佑樹は決勝再試合までに既に60回以上を投げぬき、この再試合で甲子園最多投球回を更新します。

駒大苫小牧は、疲れの見え始めた斎藤佑樹からホームランで6回に1点を返し2対1とします。

しかし、疲れの見え始めた田中将大も6回に連打を浴び早稲田実業が1点を追加、3対1となります。

早稲田実業は7回にも1点を追加し4対1のスコアになります。

意地を見せる駒大苫小牧は2点を返しスコアは4対3になります。

既に甲子園で900球の球を投げてきた斎藤佑樹ですが、終盤になってもまだ140キロ代後半のストレートを投げる怪物ぶりを発揮します。

そして9回の裏2アウト、斎藤佑樹が投げる最後のバッターは田中将大

神が用意したとしか思えない舞台です。

斎藤佑樹の会心のストレートに対し、フルスイングで対抗する田中将大

最後は外角の球をフルスイングで振って三振。

甲子園にまた伝説が生まれました。

きっとこれから何年たっても、この名勝負は永遠に語り継がれて行くだろうと、そう思えるような熱い戦いでした。

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