「恐竜博士のめまぐるしくも愉快な日常」は、国立科学博物館で恐竜の研究を行なっている、古生物学者の真鍋真(まなべ まこと)氏の著書です。
この本を読んでほしい人
- 恐竜が好きな人
- 恐竜に関する仕事に就きたい人
- 真鍋真について知りたい人
真鍋真という人物
真鍋真の経歴
- 横浜国立大学教育学部卒業
- 米イェール大学理学部修士課程修了
- 英ブリストル大学理学部博士課程修了
- 国立科学博物館地学研究部・研究官
- 国立科学博物館地学研究部生命進化史研究グループ・研究主幹
恐竜はもう研究し尽されているのか?
恐竜は現在1000種類以上が見つかっていますが、まだまだ知らない恐竜が数多くいると考えられています。
現在世界では、草食恐竜より肉食恐竜の方が多く見つかっています。
これは食物連鎖のピラミッドを考えるとおかしな事です。
食べられる側の草食恐竜のほうが肉食恐竜よりたくさんいたはずです。
恐竜の色
恐竜は、基本的に化石から形を想像しているため、これまでは体の色については適当な予想で付けられていました。
図鑑に載っている恐竜の色が正しいかどうかは全く不明でした。
しかし、恐竜の体の色について、最近の研究でメラノソームという構造で予測がつくようになりました。
しかし、まだまだ研究は進んでおらず現在10数種類の恐竜の色が分かっているだけです。
日本にもティラノサウルスがいた?
ティラノサウルスは、これまでの研究ではアジアには生息していなかっただろうと言われていたでのすが、2000年代になって中国で化石が発見されました。
そうなると日本でもティラノサウルスが生息していた可能性は充分にあります。
ティラノサウルスが生息していた頃の日本は、まだ孤島になっておらず、大陸にくっついていたからです。
今後の調査で日本からティラノサウルスの化石が発見される可能性はあるのです。
ティラノサウルスの皮膚
中国で発見されたティラノサウルスは、化石の保存状態が著しく良いもので、体に羽毛が生えていたことが分かりました。
これは恐竜界全体に衝撃を与えました。
ティラノサウルスのイメージといえば、ジュラシックパークに出てくるものを想像する人が多く、鱗のような固い皮膚で覆われている姿が思い浮かびます。
最近の恐竜図鑑では、ティラノサウルスのイメージ図を変更し、体に羽毛の生えたティラノサウルスが出てくることが多いのですが、昔の硬いウロコに覆われたティラノサウルスのイメージが強い大人たちにはなかなか受け入れにくいようです。
一度自分が習って覚えてしまった常識は、なかなかひっくり返すのが難しいものです。
その点、子供たちは、余計な先入観がないので、新しい説をどんどん受け入れて発展させていくことができるそうです。
かつて常識だったことは、新しい発見によってどんどん塗り替えられているのです。
恐竜学は必要なものか?
「恐竜学は本当に必要なものなのか?」、という質問に対し真鍋真氏は言います。
今後200万年後には、地球上に存在する生物の75パーセントが絶滅すると言われています。
その中で、人類だけが絶滅しないという理由はありません。
恐竜を研究するということは、生物の在り方を長い期間で考える勉強になり、それが環境問題への関心や、人間社会の在り方への関心につながっていく素晴らしい学問であるといいます。
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