舞台「シーサイド・スーサイド」は、ハイブリット・アミューズメント・ショウ「bpm」という演劇ユニットによって2009年に公演された舞台です。
この「シーサイド・スーサイド」は、同時公演された「ハイカラ」と2点合わせてお得なDVD化されていますが、なかなか手に入らないレアものとなっています。
命の尊さと自殺について考えさせられながら、泣いて笑える最高の舞台です。
この舞台を見てほしい人
- 暗い内容の舞台が苦手な人
- 有名俳優ばかりだとストーリーに集中できない人
- 感動の涙を流したい人
- シンプルで分かりやすいストーリー構成が好きな人
キャスト
- 西川役:宮下雄也
- 北野役:木村良平
- 天使役:次原かな
- 天使役:高山都
- 天使役:浅沼晋太郎
- 天使役:ケント・フリック
- 悪魔役:猪狩敦子
- 太宰治役:秋枝直樹
舞台「シーサイド・スーサイド」のテーマ
この舞台は、太宰治生誕100周年を記念して作られた作品です。
太宰治が残した作品と同じように、人間の生と死をテーマにしています。
スーサイド=suicide=自殺
あらすじ
お笑いコンビ「スーサイド」の二人、西川と北野の漫才のシーンから物語は始まります。

©bpm
二人でコントの練習をし終わった西川はそのまま飲み行き、酔っ払って気を失い目を覚ますと、そこはなぜか浜辺です。
そして、なぜか目の前に3人の天使がいます。

©bpm
ものすごく若く見えるけど、とても才能あふれる方です。
天使たちの役目は、自殺をしようとしている人を思いとどまらせる、というか自然に死んでもらうよう説得することです。
人が自殺してしまうと、そのエネルギーに釣られて後追いで死んでしまう人が現れてしまうため、それを防ぐため自殺を思いとどまらせるのが天使たちの目的です。
天使たちは西川が自殺しそうだということを聞きつけて彼の前に現れたのですが、どうやら人違いだったらしく、本当に自殺しそうなのは西川の相方の北野であるということが発覚します。
なぜ北野は自殺を考えているのか、それを聞いた西川はどういう行動に出るのか、それがこの舞台のテーマの中心です。
自殺する者、その周りの者の心情を描いた奥の深い舞台です。
しかし、ストーリー自体はとても明るく、コメディタッチに作られており、暗くならずに観ることができます。
そして、重要な役どころを担うのがケント・フリックが演じる天使(?)です。
彼は特殊能力を持っていて、物の音まねをすると、それが現実に存在しているように見えてしまうというへんな能力です。
例えば車の「ブーン」という音をマイクをとおして出すと、実際に西川が車に乗っているような気分になります。
これは車に乗っている気分になるというだけで、本当に現れるわけではなく、触ることもできません。
この能力が物語の重要なキーを握っています。

©bpm
そして、もう一人重要な役どころが太宰治を演じる秋枝直樹です。

©太宰治
この秋枝直樹が演じる太宰治のコミカルな演技が、この舞台の喜劇部分の大事なところを担っています。
コミカル部分ばかりではなく、泣ける部分もしっかり作りこまれています。
特に、クライマックスのシーンでの
「もうええわ」
「ありがとうございました」
は感涙必至です。
笑って、泣けて、深く考えさせられて。そんな舞台です。
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