テニスの常識が変わる本「勝てる!理系なテニス」

勝てる!理系なテニス スポーツ(単行本)
©田中信弥/松尾衛/東邦出版

勝てる!理系なテニス」は、、松尾衛(まつおまもる)がテニスボールの回転制御を物理学者の観点で解析し、実戦してみた内容をまとめた本です。

松尾衛は、東京大学大学院で物理学の博士課程を修了し、原子の回転運動などを研究している物理学者です。

この本に出てくるテニスの理論に大きく関わっているのは、田中信弥(たなかしんや)です。

田中信弥は、日本プロランキング最高7位を記録し、引退後は伊達公子のコーチを行い、その実績から日本代表コーチにまでなった人です。

田中信弥は、「瞬間直し実践会」という素人プレーヤーを独特の方法で成長させる機関を運営しています。

「勝てる!理系なテニス」の特徴

この本は、無意識のうちに一般プレーヤーが勘違いしているテニスのプレーを物理学的に間違っていることを証明し、正しい方向に導くよう書かれています。

この本を読み終んでみると、これまでのテニスの常識が180度変わってしまうような部分がたくさんありました。

サービスは下から上へ打て

サービスを打つときは、一般的に上から下に叩いてコートに入れようとする感覚を持っている人が多いと思います。

しかし、物理の観点からいえば、これは全くの間違いです。

ベースラインから直線的にサービスラインにボールを入れようとすると3メートルの高さから打たなければネットに当たってしまいます。

下から上に打ち上げなければ絶対にコートに入りません。

それを知らずに上から叩くように打つよう指導するコーチが多いせいで一般のプレーヤーが勘違いをします。

後ろから前へ体重移動しながら打つな

テニスで力強いストロークを打つために必要なのは、回転運動です。

その回転運動の勢いで後ろから前に体重が移動しているのであって、自分から意識して後ろから前に体重移動を行おうとすると回転運動が弱くなって、結果的にストロークの勢いが落ちてしまうことになります。

テニスでフォームは全然大事ではない

テニスで大事なこと4つをあげて上から順番を付けるとしたら次のようになるそうです。

  1. 予測
  2. 判断
  3. 動き
  4. 打ち方

「予測」とは、自分が打った球の場所や回転によって相手がどのような打球を選択するのかを予測することです。

「判断」とは、相手が打った瞬間にどのような場所にどのような回転で飛んでくるのかを判断することで、時間的には予測のタイミングより少し後です。

「動き」とは、相手が球を打った後、実際に自分のコートに入ったタイミングで、どこにポジションを取るかを決める動きです。

「打ち方」とは、実際に自分が球を打つ瞬間に、どのようなフォームで打つのかを決めることです。

テニスの試合中は、平均1秒かからずに相手のボールが自分のコートへ飛んでくるので、「予測」や「判断」で動かなければ間に合わないことが多いです。

なので、試合中にどのようなフォームで打つのかなんて考えている時間は本来ないはずなのです。

しかし、一般テニスプレーヤーは、試合中ミスをしたときに、自分のフォームの何が悪かったのかを考える傾向があります。

本当に考えるべきは、自分の「予測」と「判断」の何が間違っていたのかです。

まとめ

このように、「勝てる!理系なテニス」は、一般テニスプレーヤーが常識と思っているようなことを、ことごとく否定してくれます。

こういう普通の視点とは違った方向からの考え方を頭に置いて練習したり試合したりすることで、他のプレーヤーより早く成長することができます。

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