アイリスオーヤマといえば、おもしろい家電や日用品を開発し、それを他のメーカーより安く販売し、顧客を勝ち取ってきました。
今ではどこの電気製品店に行ってもアイリスオーヤマの商品は置いてあります。
アイリスオーヤマは30年間黒字経営を続けています。
その年商2600億円の企業を束ねるのが大山健太郎です。
その後も毎年増収を続け2018年の年商は4700億円でした。
彼は19歳のときに父の急死により社員たった5人のプラスチック加工の町工場の跡を継ぎました。
そこから一代で大企業を築き上げた大山社長の敏腕経営を「プロフェッショナル仕事の流儀」が追いかけました。
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アイリスオーヤマの商品開発の秘密
アイリスオーヤマの新商品の開発はプレゼン会議で行われます。
毎日70件以上の新製品の提案が発表されます。
通常の会社であれば、新製品を提案して社長がゴーサインを出すまでにたくさんの決裁をとおります。
しかし、アイリスオーヤマではプレゼン会議により直接大山社長が話を聞き、大山を納得させることができればその場でゴーサインが出ます。
企画から3か月で商品販売までたどり着くこともあるそうです。
社員の事務用デスクとパソコン用のデスクを分け、パソコンは1回に45分以上使用しないというルールがあります。
1日中パソコンに向き合っていると新しいアイデアが生まれないため、このような形態にしているそうです。
大山社長は新製品が利益が出るものかを見極める天才です。
しかし、彼自身も全ての新商品の利益を正しく判断できるわけではありません。
その場合は、社員の情熱を見て判断することにしているそうです。
「最後は人に賭ける。」と大山社長は言います。
社長就任当時の苦労
大山社長は1964年に父の急死により大山ブロー工業を引き継ぎます。
引き継いだ当初は、年商500万円、社員5人の零細企業でした。
大山健太郎が社長就任後に商品開発に成功し企業は一気に成長します。
- プラスチックの真珠の養殖ブイ
- 苗のプラスチックケース
会社の規模は一気に拡大し10年で年商10億、社員150人を抱えるまでになりました。
しかし、1973年にオイルショックが起こり会社が倒産の危機に立たされます。
金策がうまくいかず会社がいつ潰れてもおかしくない状況になります。
本社工場を大阪から宮城へ移さなければいけなくなり断腸の思いで大半の社員をリストラをしました。
このとき大山社長は会社を辞めてサラリーマンなろうかとも考えました。
しかし思い直し、今度は二度と社員をリストラしなくていい会社に育てようと決心します。
利益率の高い産業に絞り、家庭用のガーデニング用品を開発することに決めます。
1年をかけ開発した家庭園芸用のプラスチック製品は大ヒットを記録、会社は一気に息を吹き返しました。
東北大震災の影響
アイリスオーヤマは宮城に本社を持つ企業です。
災害が起こった際、無償でスコップを提供するなどを行いました。
地元のために何ができるか、という新たな企業理念が生まれました。
現在でも新規社員の採用として災害特別枠を設けています。
「人」を重んじる大山社長らしい活動です。
新たな挑戦
アイリスオーヤマは、プロフェッショナル仕事の流儀の撮影中に新たな挑戦として、米の生産に踏み出しました。
日本人の米消費量はどんどん減ってきていますが、そこに逆にビジネスチャンスがあると大山社長は考えました。
米をパックに密閉して酸化を防ぐことによりおいしい米を食卓に届けることにビジネスを見出しました。
しかし、米を取り扱ってくれるスーパーが一向に増えませんでした。
味には自信がありますが、みんなが商品のことを知らないのが売上の伸び悩みの一番の原因と判断し、知名度を上げるため広告戦略を考えることになりました。
しかし、広告は自社の米をアピールするのではなく日本の食文化を変えられるような内容にしたいと考えました。
そこで「コメは高いけれど一膳のご飯は安い」ということを打ち出します。
結果、アイリスオーヤマの米の知名度は上がり、現在では1年経っても鮮度が落ちない米として消費者から愛されています。
大企業へ成長しても新たな利益が獲得できる市場を探して未知の分野への挑戦を続けることが他の大企業がマネできないアイリスオーヤマの唯一無二の経営法です。
プロフェッショナルとは?
「プロフェッショナルとは?」、この質問に大山は答えます。
「知っている事と出来ることは違う。最後まで諦めずにやりきること。」
長年不況知らずで企業を成長させている敏腕社長の芯の強い言葉でした。
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