電子マネー・消せるボールペンなど身近にある物のすごい技術を解説した本

身のまわりのすごい技術大百科 経済
©涌井良幸・涌井貞美/角川書店

身のまわりのすごい技術大百科」は、身近な家電製品や文房具から、乗り物や大型の機械まで、ありとあらゆる物の仕組みを解説した知識本です。

ものすごい知識量で、それなりに専門用語も多いので、全部を読むのは苦労するかもしれませんが、全ての説明に図解が付いておりますので、視覚的に理解することができます。

著者 涌井良幸 涌井貞美

著者の涌井良幸(わくい よしゆき)と涌井貞美(わくい さだみ)は、実の兄妹で、二人とも「サインスライター」という肩書で多数の著書を出版しています。

涌井良幸は、筑波大学の数学科を卒業後、高校教師となり、退職後、著作活動を行っています。
涌井貞美は、東京大学の理学系の修士課程を修了後、富士通に就職、退職後高校教師を経てサイエンスライターとして独立しています。

本書は、数学に関する二人のプロフェッショナルが身近にあるモノを科学的に解明した本なのです。

気になった内容

本書は、400ページ近い内容で、93種類の「モノ」を解説しています。

その中で、特に気になった内容を各章ごとに箇条書きで紹介します。

第1章 外で見かけるすごい技術
  • 世界で初めて使われたエレベーターは紀元前のローマ
  • 高層ビルの地震の揺れを防ぐ方法には、耐震、制震、免震の3種類がある
  • Suica、Edy、iPhoneなどに採用されている電子マネーの制御はSONYが開発したFelica
  • 世界初の自動販売機は、2000年以上前にエジプトの寺院に置かれた、コインを入れると水が出てくるもの
身近な家電のすごい技術
  • 電子体温計が15〜20秒で測れるのは、温度の変化のカーブをマイコンが予測するから
  • フラッシュメモリーは日本の舛岡富士雄氏が発明したもの
  • コンセントの穴が左右で違うのは、穴が大きい側が地面につながっているのを区別するため
コンセントの穴が大きい側に指を突っ込んでも地面につながっていて電気を逃がしてくれるので感電しません。
生活用品のすごい技術
  • 抗菌は、菌が繁殖しにくいという意味なので滅菌・殺菌・除菌のような菌を積極的に減らす効果はない
  • パーマ剤は、髪の中のシステインというアミノ酸の結合を切り、セットした後再結合する
結合を切るのに第1剤、再結合するのに第2剤を使うので2回の塗布を行います。
  • 羽根のない扇風機は台座にファンが隠されている。
送出部の小さな穴から出る風が周囲の空気を巻き込んで大きな風を作り出すのでパワーがあります。
乗り物に見るすごい技術
  • 飛行機が飛ぶ仕組みは科学的に証明されていない
「ベルヌーイの定理」という、翼の上下の空気抵抗の違いで揚力が生まれるという理論で説明されることが多いです。
しかし、この定理は「完全流体で成立する」という前提があるため、飛行機が飛ぶ理由としては不完全なのです。
  • 新幹線の先端が尖っているのは、トンネルの出口で空気の圧縮による爆発音が発生するのを防ぐため。
ハイテクなすごい技術
  • ノイズキャンセリング機能には音を遮断するパシブ方式と、騒音を打ち消す音を出すアクティブ方式がある
便利グッズのすごい技術
  • ゴアテックスは空気や水蒸気は通すが水は通さないような大きさの膜でできている。
これにより体内からの汗は外に出すが、外からの雨は中に通さない服ができています。
文房具のすごい技術
  • 消せるボールペンはインクにロイコ染料、顕色剤を小さなカプセルに入れていて、摩擦熱で二つの結合が外れることにより消える仕組み

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