メルセデス・ベンツのスーパーカー「SLS AMG」はドイツが誇る究極のマシンです。
1台の車を完成させるのに丸5日かかります。
「メルセデス・ベンツ スーパーファクトリー」は、ナショナルジオグラフィック社が「SLS AMG」を作る全行程を追いかけたDVDです。
SLS AMGのスペック
- フレームとシャシーの合計重量240.9kg
フレームはほとんどアルミで作られていますが、事故の際ドライバーを守るため、フロントは鋼鉄で作られています。
- スタートから3.7秒で時速100kmに到達する加速力
- トップスピードは時速317km
- 571馬力
- 価格183,000ドル
大体2000万円くらいです。
SLS AMGのすごい機能
- 事故の際にドアが外れるようになっている
事故が発生すると、センサーが少量の火薬を爆発させドアを飛ばすようになっています。
- 時速200kmを超えると自動的にリアウイングが出てくる
これにより、高速走行時でもグリップが良くなります。
メルセデスベンツとガルウイング
SLS AMGの大きな特徴として、ガルウイングという特殊なドアの形状があります。

©日経ナショナル ジオグラフィック社
メルセデス・ベンツといえば安全で真面目なイメージがありますが、ガルウイングはそのイメージを一変させます。
メルセデス・ベンツで初めてガルウィングを搭載したのは1950年代に発売されたSL300という車です。
SLS AMGはこの、SL300の後継車として敬意を込めてガルウイングが取り付けられました。
SLS AMGのボディの組み立て
ボディの制作作業はオーストリアにある工場で行われます。
塗装はロボットと手作業の両方で行われます。

©日経ナショナル ジオグラフィック社
ボディを組み立て塗装するのに30時間かかります。
完成したボディはドイツのジンデルフィンゲンの巨大工場に送られます。
ボディ完成後の作業
ジンデルフィンゲンの巨大工場には、SLS専用の小さな工場があります。
そこには社内で最も優秀なメカニック140人が集まります。
運ばれたボディから一度ガルウイングが外されます。
- ワイヤーの配線
総計1600m以上の配線を3人で行います。
- 燃料タンクの設置
- サスペンションの取り付け
SLS AMGには、一般の車とは全く違う量のワイヤーが使われています。
普通の車より圧倒的に電子システムが多いからです。
エンジンの作業
エンジンが作られるのはドイツのアッファルターバッハにある工場です。
一つのエンジンを一人のメカニックが最初から最後まで作ります。

©日経ナショナル ジオグラフィック社
一人が1日かけて1つのエンジンを丁寧に作りあげます。
スピードよりも品質を重視します。
組み立て過程で常にスキャナーでエンジンブロックのスキャンが行われ、作業漏れがないか確認し続けます。
エンジンを磨く作業、オイルをさす作業は全て手作業です。
ピストンをクランク室に入れていく作業では、特に慎重に、一つ一つ丁寧に手作業で行われます。
ボルトの締め具合は、機械がチェックしますが、最終的には人間の目で確認を行います。
エンジンが完成すると、最後に組み立てを担当したメカニックの名前が入ったプレートが付けられます。
最終組み立て
最終組立工場に運ばれたSLS AMGにダッシュボードの取り付けが行われます。
SLS AMGのダッシュボードは、飛行機を思わせるようなデザインになっています。

©日経ナショナル ジオグラフィック社
エンジンの馬力をトランスミッションに伝えるロッドは、カーボンファイバーでできているため非常に軽くて丈夫です。
全てのパーツが組みあがると、最後にガルウイングを取り付けます。
ホイールとタイヤが取り付けられ、最後に磨かれ最終チェックを終えて完成です。
メルセデス・ベンツのエンジニアの共通理念
SLS AMGのスタッフが共有する理念は
「完璧でも足りない」
です。
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