トレイルランニング鏑木毅がパタゴニアの極限レース「ウルトラ・フィヨルド」に挑戦

神の領域を走る スポーツDVD
©NHKエンタープライズ

141kmの南米パタゴニアの険しい山岳地帯を不眠不休で走る世界一過酷なタイムレース。

そのレースを走る一人の日本人、鏑木毅(かぶらきつよし)をNHKが追いかけた「神の領域を走る パタゴニア極限レース141km」を紹介します。

パタゴニア極限レース

©NHKエンタープライズ

パタゴニア極限レースとは

パタゴニア極限レースの正式名称は、「ULTRA FIORD(ウルトラ・フィヨルド)」です。

未舗装の山野を長距離走るトレイルランニング」という種目の一つです。

2015年に第一回大会が開催されました。

第一回大会では参加者33人中、完走できたのが10人という過酷さでした。

今回紹介する「神の領域を走る」は、2016年第二回大会で、参加者は91人に大きく増えました。

あまりの完走率の低さのため第一回大会が世界中で話題になり、一気に参加者が増えました。

パタゴニア極限レースのコースの概要

スタートはパタゴニアの南部、プエルトナタレスの街から車で2時間ほど離れた農家です。

深夜0時にスタートします。
スタートから15kmの地点でいきなり巨大な原生林地帯が35km続きます。
原生林

©NHKエンタープライズ

原生林を抜けて63km地点に到達すると、岩山が7km続きます。
雪が降り滑りやすくとても危険な地帯です。
岩山

©NHKエンタープライズ

この岩山がこのレースで最も過酷な場所で、ここを昼間の内に抜けられるかがポイントになります。
97km地点からゴールまでは長い砂利道が続きます。
ゴールまで20kmを切るとそこは「神の領域」と呼ばれます。
疲労の極限でほとんど意識がないまま走るため、人間では到達できない世界という意味で「神の領域」と呼ばれています。

鏑木毅とは

今回NHKが追いかけたトレイルランナー鏑木毅は、パタゴニア極限レースに参加した2016年時点で47歳です。

世界中の数々のトレイルレースで活躍する日本のトレイルランの第一人者です。

世界中のトレイルランナーからの知名度も高く、今回の撮影でも海外の選手から撮影を依頼されている姿が映ります。

鏑木毅の過去のレース成績
  • 2009年「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン」3位
  • 2009年「ウエスタンステイツ100」準優勝

 

2014年のレユニオン島での160kmレースで不整脈でリタイアの経験があり、今回途中リタイアとなれば引退する覚悟でレースに臨みました。

 

レースの展開(ネタバレあり)

35km地点

35km地点、最初のチェックポイントでいきなり波乱が起きます。

前年王者のエイブリー・コリンズ(アメリカ)がペースを上げすぎて既に3度吐いており、ここでリタイアとなります。
チリの絶対王者エンソ・フェラーリも足を痛めてリタイアします。
最初のチェックポイントまでに既に12人の選手がリタイアするという状況でした。
レースの先頭を走るのはトーマス・エルンスト(スイス)51歳でした。
そして、49km地点の補給ポイントに2位でたどり着いたのは鏑木毅でした。

63km地点

63km地点に鏑木毅が到達したとき、猛吹雪が吹いていて風速20kmという過酷な状態でした。
岩山を走る

©NHKエンタープライズ

その頃1位のトーマスは鏑木毅の2km先を進んでいました。

トーマス

©NHKエンタープライズ

この岩山地帯で低体温症によりリタイアする人がたくさん出ました。

86km地点

岩山を抜けた山を下る86km地点、以前トーマスが1位を守ります。
鏑木毅は遅れること5km、その差が広がっています。
下り

©NHKエンタープライズ

97km地点

97km地点での補給ポイントをトップで通過したのもトーマス

2位で通過したのは鏑木毅。

トーマスとの差は山のくだりで1分縮まっていました。

108km地点

スタートから14時間、鏑木毅は108km地点に到達していました。

体中に筋肉の激痛を抱え、地獄を味わっていました。

108キロ地点

©NHKエンタープライズ

120km地点

そして、残り20km神の領域に突入です。

疲労の限外を感じた脳が体にストップの指令を出すのを無視して走り続けます。

鏑木毅は、目の前が暗くなり、朝なのか夜なのかも分からず、自分の意識があるのかないのかも分からないまま走り続けます。

神の領域

©NHKエンタープライズ

そこで、鏑木毅は突然不思議な感覚に陥ります。

斜め前を誰かが並走しながら応援してくれているような、そんな感覚です。

ゴール地点

そして、トーマス・エルンストが17時間41分で1位でゴールします。

51歳にして初めて大きな大会で優勝するという快挙でした。

トーマスのゴール

©NHKエンタープライズ

そして、18時間53分、鏑木毅が見事2位でゴールします。

鏑木毅のゴール

©NHKエンタープライズ

「人間の限界は自分が思うよりまだまだ先にある」勇気を与えてくれる映像です。

サバイバル系のオススメDVD

日本一過酷なアドベンチャーレース「激走!日本アルプス大縦断」

不慮の事故が起こったとき、どうやって生き延びるか

ベア・グリルスのサバイバル術「サバイバルゲーム SEASON1」を紹介1

コメント