2003年3月、日本でシアトルマリナーズの開幕戦が行われることになりました。
それに合わせて、イチローと北野武という二人の夢の対談が実現することになりました。
前2年ともに200本安打を達成し、既にアメリカでもスーパースターになっていました。

©テレビマンユニオン
野球になぞらえて、1回から9回までにトークテーマを分けていますが、基本的には二人が好きなことをしゃべっていって自由に話題が変わっていきます。
北野武が大の野球好きなだけあって、話題のほとんどが野球に関することです。
1回 極意
- 草野球
- 叩いてる
- 落合博満
- 理論
- 土井監督
- 能天気にやられる
- 松井大輔
- やる気がない野球
- 先輩 工藤公康
- こいつには勝てない
- 9人イチロー
イチロー:軟式野球には軟式野球の極意があってその道を極めた人には本気でやっても勝てなかった。
イチロー:1995年に首位打者を取ったときに、初めて、体ではなく頭で自分がなぜ打てているのかという理論が分かった。
北野武:お笑いの世界では何も考えてない奴が強い、頭で考えてくれると俺が勝つ。
イチロー:初めて松坂大輔とやったとき、何も考えずにドンドン投げ込んでくるタイプだったので苦労した。
2回 役者
- 2つの脳
- 監督
- メディア
- 教えない
イチロー:監督が選手の愚痴をメディアに言うようになるとチームはあっという間に崩れる。
3回 MLB観戦
- 本場
- 千代の富士
- 見ない
- 内野安打
- 一所懸命さ
- バレてしまった
- 観客
- 小さい
- 自分のかたち
- バリー・ボンズ
- 大きくしたくない
北野武:メジャーリーグの試合をテレビで観るときに、イチローが2打席凡退すると怖くて続きを観れない。
イチロー:アメリカに行って内野安打が増えたのは、メジャーのファンは内野安打であってもチームの勝ちにつながるものであればホームランのような歓声を上げてくれるから。
4回 アメリカ
- 重さと誇り
- ワン・カップ・オブ・コーヒー
- 蹴飛ばしてやりたい
- オーディション
- とてつもない
- ルールが違う
- 結束力
北野武:はじめてハリウッドで監督するときにアメリカ人は働かないと聞いていたが、全くそんなことはなかった。
イチロー:メジャー選手はマイナーのとんでもない数のライバルの中から勝ち上がってきたというプライドを持っている。
北野武:アメリカで役者のオーディションをしたら、カンフーできると言ってたやつが、次の日には寿司屋のオーディションにくる。そのくらい必死でやってくる。
5回 成功
- お前が思ってるほど嬉しくない
- イイ加減
- 余裕
- 王貞治
- 嬉しさが違う
- 幸せ度
- 夢は目標に変わる
イチロー:常に自分に余裕がある状態「人より練習が少ないのに人よりうまい」という自信があったのでうまくやれた。
北野武:王貞治が毎日夜中にバットを振り続けたという伝説は、振らないと心配で眠れないだけで、努力ではない。伝説には尾ひれがつくもの。
6回 対決
- 乗せてもらった
- いつかこいつらを
- イチロー、マイペース
- メジャー、イチローを作った打席
北野武:初めて大物芸人の楽屋にいったときは舞い上がったけど、次の年には、絶対にこいつらを越えてやるという気持ちになった。
イチロー:初めてメジャーにいったときは、映画の世界のように感じたけど、次の年にはこいつらを超えると思った。
イチロー:メジャーに行った最初のときは、マイナー選手ですらボンボンホームランを打っているのを見て不安で仕方なかった。
7回 魅せる
- コンチクショー
- 自業自得
- 長嶋茂雄
- 天才
イチロー:「レーザービーム」という言葉を生んだ伝説のサードへの送球は、オークランドのファンの態度の悪さにイライラしていて「コンチクショー」と投げたからできたもの。今は、やれと言われてもできない。
北野武:輪島という相撲取りは、自分を天才に見せるために記者がきたときは一切練習をしなかった。記者が帰った後に必死で練習した。
8回 歴史
- シューレス ジョー・ジャクソン
- 100年先
9回 目標
- 本数・率
- 必然のヒットを
- ライバル
- 夢
- 夢ではなく
イチロー:打率の1厘を守りたいと思うと、後ろ向きな気持ちになって打席に立ちたくなくなるので、もうヒットを1本打ちたいという気持ちで打席にはいる。
北野武:観客動員数が多かった映画が単純にいいとは思わない。
イチロー:ペドロ・マルチネスだけは、自分のパターンを持たずに自由に形を作れる選手。
イチロー:先輩たちがなしえなかったことを後輩がやらなければ進歩とはいえない。
イチロー:目標は50歳でバリバリ現役
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