「TRAIN BLEU(トラン・ブルー)」は、雪に覆われた飛騨高山にある全国からお客さんが集まる大人気のパン屋です。
そのパン屋を経営しているのが、日本を代表するパン職人、成瀬正です。

©NHKエンタープライズ
2012年、NHKは「プロフェッショナル 仕事の流儀 パン職人 成瀬正の仕事~不満足こそが、極上を生む~」で成瀬正のパン作りを追いかけました。
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成瀬正の経歴
成瀬正は、大正元年から3代続く老舗のパン屋に生まれました。
実家のパン屋は学校給食用のパンを主に作っていました。
成瀬正は、東京でパン職人として修業を始め、4年後には名門ホテルでその腕を認められるまでになりました。

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27歳のとき地元、飛騨高山に店を開くことを決意します。
しかし、客が押し寄せたのは最初だけで、開店4日目には客足が遠のいていきました。
元々人口が少ないうえに、高級なパンを買い求める人はほとんどいませんでした。
5年後、父が突然ガンで他界し、経営していた学校給食用のパン屋が持っていた億単位の借金を抱えることになりました。
悩みもがきながら3年が経ちました。
そんなとき、東京の知り合いから、フランスのパン屋を見に行かないかと誘われました。
そこで見たひとりのフランス最高峰のシェフ、ジョセフ・ドルフェールが地元の人のためだけに作るパン屋を見て感銘を受けます。
飛騨高山の人たちに認められるようなパンを作りたいと、パン作りに没頭しました。
そして、その名は日本中に広がっていき、世界一のパンを決定する大会クープ・デュ・モンドの2005年大会の日本代表に地方のパン屋で初めて選ばれました。
彼の元には全国から弟子入りを志願する若者が集まります。
有名になっても変わらない信念
成瀬正は、現在もスタッフ7人の厨房に毎日10時間立ち続けます。
100種類のパンを1日2000個作ります。
成瀬正はいつも不満そうな顔を顔をしています。
妥協を許さず、少しでも形がくずれたものはお店には並べません。
毎日同じ工程を繰り返すパン作りにおいて、常に妥協を許さず、少しでも昨日よりおいしいパンを作ろうとする成瀬正のこだわりに、お客さんは行列を作ります。
スゴ腕パン職人は何が違うのか?
成瀬正は生地の温度や発酵時間を徹底的に管理します。
酵母がどのくらい生地を発酵させているか、手の感触やにおいで読み取ります。
成瀬正の作るクロワッサンのおいしさの秘密
トラン・ブルーで特に人気があるのはクロワッサンです。
細かく層を重ねたものが、つぶれることなく膨らんで仕上がっており、とんでもなくサクサクの食感を生み出します。

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そのクロワッサンには成瀬正のこだわりが細部に詰め込まれています。
- 2.5ミリの厚さの生地の中に27もの層を作る
- 巻いて成形するとき、表面にくる部分を潰さないようにまく
- 巻いた生地を手前に返し、一旦緩め再び巻く
緩めることで生地の間に余裕がうまれ、ふんわりと仕上がります。
- サイドに卵を塗らないことで層がうまく膨らむようにする
成瀬正の語る プロフェッショナル
プロフェッショナルとは?
その問いに、妥協を許さない求道者のような成瀬正らしい言葉で返します。
「常に満足しきれない。その後もずっと歩き続けなきゃいけない。そういう人」
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