今回は、マイケル・ボルダックの「一瞬で恐怖を消す技術」という本を紹介します。
コーチングの天才と呼ばれるマイケル・ボルダックが、人が行動を起こすときに一番邪魔をしてくる「恐怖」とどう立ち向かい克服していくのかを教えてくれる一冊です。
マイケル・ボルダックとは?
マイケル・ボルダックは7歳の頃に実の父親が母親を殺す事件を体験します。
それがショックで対人恐怖症になり絶望的な人生を過ごしていました。
17歳のときにジグ・ジグラーの自己啓発セミナーを受けて人生が変わります。
そこからは、自己啓発に関する出版や講演を行い世界中で大人気となります。
今では世界中にマイケル・ボルダックのコーチングを受けた成功者がたくさんいます。
恐怖の原因は拒絶されること
人間は拒絶されることに恐怖を覚えます。
これは1歳から6歳までに親が「それはダメ」と拒絶した回数が増えれば増えるほど強くなります。
それがトラウマになり、大人になっても人に拒絶されないように生きようとします。
しかし、社会に出てみると、人に受け入れられるより拒絶されることのほうが多いのが当たり前です。
その拒絶のたびに人は恐怖を覚え、ますます行動することができなくなっていくのです。
拒絶されることを利用する
この精神状態を克服するために大切なのが「拒絶を利用」することです。
「私は失敗するのが好きだ」と言葉で自分を肯定してあげることが大切です。
そして「ノー」と言いながら喜ぶことです。
それにより「ノー」という言葉が支配する力を失うのです。
本当に成功している人は失敗の大切さを知っています。
ケンタッキーフライドチキンの創始者カーネルサンダースは事業で1000回以上もの拒絶を繰り返し、最後の最後に大成功を収めました。
映画「ロッキー」の主役のシルベスター・スタローンは、自ら脚本を書きました。
そして、その脚本で自分を主役として映画を作ってほしいと色々なところにお願いに行きますが、ことごとく断られてしまいます。
脚本だけ買い取らせてくれないかという話も何度ももらいますが、シルベスター・スタローンは全て断って自分を主役で使ってくれるところを探し続けました。
そして最後の最後にイエスをくれる会社に出会い、映画ロッキーは大ヒットを記録することになりました。
「ノー」の目標数を設定することです。
だいたいどんなことでも10回「ノー」を言われたら、1人くらいは「イエス」と言ってくれる人が現われます。
自分が今行おうとしていることで、3回に1回は「イエス」と言ってもらえるとしましょう。
「イエス」の数を10個集めたいのであれば、30回「ノー」を言われることができれば目標は余裕で達成しています。
恐怖の3段階を分解して対処する
恐怖には3つの段階があります。
それがひとつにまとまってしまっているから、何が起こっているか理解できず人は恐怖を覚えます。
人は知らないものに恐怖を覚えるのです。
- 拒絶される前
- コミュニケーション中
- 拒絶された後
拒絶される前の恐怖への対処法
人は精神状態がピークのときに最高のパフォーマンスが生まれます。
ピークのときには人は恐怖心を感じません。
そのために4つのステップを踏めばピークの精神状態に持っていくことができます。
- 感謝しているものを10項目考える
- 望んでいることを心に描く
- おまじないを唱えて確信する
- 「行動する」と自分で決める
コミュニケーション中の恐怖への対処法
コミュニケーション中の段階では、自分が伝えたいと思うこと、それをどう伝えていくか、どういう質問をするか等について1語1語詳しく記した台本を作っておくと、とても効果的です。
拒絶された後にすべきこと
どんなに用意周到に準備を行っても、残念ながら拒絶される可能性の方が高いのが現実です。
そのときに一番にすべきことが「よくやった、次はがんばれる」と自分をねぎらうことです。
そして、次にすべきことが自分なりに解釈を行うということです。
自分が拒絶されたのは、自分自身の問題ではなく相手側に問題があったからだと解釈してよいのです。
そして、すぐ次の目標に向かって行動を開始することです。
考えを集中させて次に向かっていると、過去の拒絶を考えている時間などなくなってしまいます。
究極の成功のための5ステップ
マイケル・ボルダックは、「究極の成功のための5ステップ」というものを提唱しています。
分かりやすくするため、営業担当者が顧客にセールスを行う上での5ステップを例にとって説明しています。
- マジックナンバー50
- 情報提供マーケティングの準備
- 簡単な案内状
- 相手の考え方を尋ねる電話
- 最低6か月
1.マジックナンバー50
自分が時間と労力を集中して狙いを定めるべき理想の取引先50社のデータベースを作成することです。
2.情報提供マーケティングの準備
理想の取引先を選定したら、次は売り込むための資料を作るのではなく、情報提供を行うことが大切です。
例えば投資に関するセミナーのお客を探しているのであれば、「95%の人が、65歳までに破産するか、あるいは無一文になっている」という配布資料を作ります。
大切なのは売るのではなく教えることです。
3.簡単な案内状
次にするのは、先ほど作った情報提供のための資料を配る案内状を作ることです。
4.相手の考え方を尋ねる電話
次に、案内状を送った相手に電話をし、興味があるかを尋ねることです。
セールスに興味があるのかではなく、「95%の人が、65歳までに破産するか、あるいは無一文になっている」という情報提供に興味があるのかを尋ねるのです。
そこで興味を示すのであればもう一歩進み自社の製品の説明を行います。
5.最低6か月
そして、大切なことはステップ3の案内状の作成とステップ4のフォローの電話を、毎週行い、最低6か月続けることです。
1度や2度で興味を持ってくれることは、まずあり得ません。
相手の都合を考えた上で、迷惑にならない範囲でやり続けることが成功にたどり着く唯一の道です。
拒絶される恐怖を力に変える7つのステップ
- なぜ、恐怖を克服するのか?
- 恐怖のきっかけは何か?
- 恐怖のパターンを破る!
- アンカーを作り出す
- テストする
- 自分へのご褒美
- コーチを見つける
1.なぜ、恐怖を克服するのか?
人間は、何か理由があれば行動を起こします。
なぜ、今目の前にある恐怖を克服する必要があるのか、その目標を再度確認し自分と向き合うことです。
2.恐怖のきっかけは何か?
恐怖には、その引き金になるものがあります。
セールスの電話をかけるのが怖い人は、電話機が引き金です。
具体的に、どういうときに自分が恐怖を感じるか、を知っておく必要があります。
3.恐怖のパターンを破る!
恐怖に直面した時人がするのは「逃げる」か「戦う」かの2種類だけです。
恐怖が起こったときに逃げることを選んだ人は、次に恐怖が起こったときにも逃げてしまいます。
次第に恐怖の引き金となるものを見ただけで逃げてしまうようになります。
これをアンカーと呼びます。
このアンカーを壊すために「恐怖なんかない、自分は行動を起こせる、恐怖を克服できる、もう拒絶される恐怖を克服した」というのを10人の人に話します。
4.アンカーを作り出す
もう一つ、アンカーを壊す方法として、「新しいアンカーを作り出す」ことです。
自分の人生で自信があったときのことを思い出します。
そして、こぶしを握り締めて「私は自信がある」といいます。
また、別の自信があったときのことを思い出して、こぶしを握り締めて「私は自信がある」といいます。
これを繰り返すことで、こぶしを握り締めることで自信が湧いてくるようになります。
これが新しいアンカーです。
5.テストする
新しいアンカーを作り上げたら、今まで恐怖を感じていた古いアンカーを見てみます。
そのときにネガティブな感情が湧くようでしたら、まだ成果が出ていないので、ステップ1から4をやり直します。
ネガティブな感情が出なければ成功です。
6.自分へのご褒美
行動した後は、結果に関わらず、拒否されたとしても自分をすぐに褒めることです。
7.コーチを見つける
最後は、勝者や、自分を高い基準に維持していくれる人と関係を持つようにすることです。
失敗を克服することは、高い基準を必要とするからです。
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