「ナショナルジオグラフィック ポルシェ スーパー・ファクトリーのすべて」は、ポルシェ911を作るドイツのシュツットガルトにある生産工場を撮影したDVDです。
ポルシェ911とは?
ポルシェ911は16種類もあるポルシェのフラッグシップのスポーツカーです。
11万2000ドルのGT3もその一つです。

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最高時速320キロを叩き出します。
「一般道を走れるスポーツカー」というコンセプトで作られた車です。
水平対向6気筒エンジンというポルシェ独自のエンジンを積んでいます。
ポルシェを作る工場はどんなの?
ドイツのシュツットガルトにあるポルシェ専用の工場は複数の建物で構成された巨大な建造物です。
- ボディシェル組立ビル
- ペイント部門
- エンジン組立ビル
- 革貼り部門
- 組立ビル
この巨大な工場で、ポルシェ911は1日あたり110台作られています
ボディシェル組立ビルの作業
ボディシェル組立ビルでは、105台のロボットと人の手によりボディシェルを作っていきます。
スチールの板が機械でプレスされ、フロント、リヤ、ミッドの3つのパーツに分けて成形されます。
3つのパーツをまずロボットが溶接し、機械が届かない細かな部分を人が溶接していきます。

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ジオメトリックステーションと呼ばれる次の溶接部門に運ばれ、サイド部分と天井部分が溶接されます。
次にドアが取り付けられます。

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フロントのフェンダーを付け、最後にフロントボンネットが取り付けられます。
そこでボディシェルが完成します。
ペイント部門
ペイント部門に運ばれたボディは、水で洗われエアーで乾かすことにより入念にほこりが落とされます。
その後、下地用のペイントが入ったプールに丸ごと入れられ、下地が完成します。

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電気的なプラスとマイナスの仕組みを利用してボディに定着させます。
30分かけて乾かされたあと、コーティング作業です。
ボディの色に近いコーティング剤が使われます。

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そして、ボディの色付けを行うカラーコートに移ります。
ペイント作業は人の手により行われます。
最後にクリアコーティング剤が吹きかけられます。
ボンネットにロゴが貼り付けられて完成です。

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エンジン組み立てビル
911エンジンは直列6気筒やV6ではなく、水平対向エンジンです。
工場では1日に500基のエンジンが作られます。
エンジンパーツが乗せられた台車を、無人搬送車が運びます。

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運ばれてきたエンジンパーツを組み立てるのは人の仕事です。

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エンジンの組み立ての3分の2が終わった時点で、エンジンを仮に回す「コールドテスト」が行われます。
無事テストを通過すると、残りのパーツが組み上げられて、全てが組みあがると、再度「ホットテスト」を受けます。
1基組み上げるのにおよそ6時間かかります。
革貼り部門
ダッシュボード、ドアパネルなど40か所が革貼りが必要な箇所です。
1台あたり、なめし革6枚が利用されます。
強烈な水圧で、なめし革をカットするマシンが使われます。

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カットされた革は、ミシンで人の手により縫製されます。
形が完成すると、機械が接着剤を吹き付け、フレームに貼り付けられます。
組立ビル
ペイント部門から届いたボディはパッドで保護して、ドアが外されます。
革のダッシュボードが取り付けられます。
計器などが取り付けられ、フロントガラスが取り付けられます。
そして、シャシーとボディーが組み合わされます。
その行程でエンジンが一緒に載せられます。

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このボディ・シャシー・エンジンが一つになる作業は、ポルシェ911の組み立てで最も感動的な瞬間で「マリッジ」と呼ばれています。
そして、バンパーが付けられ、テールライトが付けられます。
そして、ホイールとタイヤがはめられます。

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外していた扉を付け直して、革貼りシートを載せれば完成です。
最終検査が2時間行われて、車は世界各国へ運ばれていきます。
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