ナショナルジオグラフィック社がスーパーカーの製造工程に迫る人気シリーズDVD「スーパー・ファクトリーのすべて」。
007(ダブルオーセブン)シリーズのジェームス・ボンドが愛した車「アストンマーティン」の工場に突入します。
2007年、究極のアストンマーティンを作ろうと開発されたのが、「One-77(ワン‐セブンセブン)」です。
世界に77台の限定生産、価格は120万ポンドです。
1:1.618という黄金比を用いて美しさにこだわり設計されています。
車は全てオーダーメイドで1台を作るのに220時間を要します。
開発途中にリーマンショックが起こり、開発続行に暗雲が漂いましたが、アストンマーティンの技術者たちの強い意志により完成させました。
アストンマーティンのおしゃれな工場
このアストンマーティン史上最高の車を作るため専用の工場が作られました。
イングランド中部のウォリックシャー州にある田園地帯の中にあるモダンな工場でOne-77は作られます。

©ナショナルジオグラフィック社
総床面積は2700平方メートル。
従業員1400人が働いています。
車のデザイン専用のスタジオ
アストンマーティンの巨大な工場の中でも、One-77のデザインを決める部屋、デザインスタジオは、他の部門から離れた隔離された所にあります。
完成前に情報が外へ漏れるのを防ぐためです。
まず、紙に書いた車体のデザインが決まったら、クレイで模型を作ります。

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One-77は、バンパー部分の継ぎ目をなくし、フロント部分と一体化した形状に決まりました。
エンジン開発
車体のデザインと並行して、別部門ではエンジンの開発が進められます。
アストンマーティンの創業時からのこだわりである自然吸気エンジンを採用することに決めました。
最高速322キロまで一気に加速できるトルクに徹底的にこだわりました。
全てハンドメイドのボディ作り
One-77の組み立て作業は独特です。
通常の車であれば、組立ラインに乗せ、ロボットが流れ作業で作りますが、One-77は全てハンドメイドで作られます。

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ボディの溶接から、やすりがけまで、全て人の手で行われます。
ハンドメイドにも関わらず、ボディの寸法の誤差は1mm以内しか許されていません。
卓越した技術者たちは、この基準を見事に満たしたボディを作り上げます。
ボディカラー
ボディカラーは、全て購入者の希望に合わせて色を調合します。
一切のホコリがない部屋で、ロボットと人の手によりカラーリング作業が行われます。
下塗りから合わせて7回ものカラーリング作業があります。

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組立作業
出来上がったパーツを組み立てる作業もハンドメイドです。
7組の作業グループが入れ替わりながら、一つの場所に置かれたOne-77の組み立て作業を行います。
完成
完成したOne-77は、1台1台全て走行テストが行われます。

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最後にもう一度、厳しい品質監査を受けて出荷されます。
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