「センコウガール」は、永井三郎が書いた女子高生の闇を描いた漫画です。
女子高に通う女の子たちの話ですが、人の死を題材にした、歪んだ人格の人たちがたくさん出てくる、かなりの問題作です。
「人の死」という現実と、主人公の天真爛漫で明るいキャラが全く嚙み合っておらず、不気味な作品です。

©永井三郎/小学館
かなり怖い内容ですが、最後には泣けると、評判の高い作品です。
あらすじ
※単行本1巻の中盤くらいまでのネタバレが含まれます。
物語は、主人公の如月民子(きさらぎたみこ)が血まみれになりながらナイフを持って泣いているところから始まります。

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物語が進むにつれてその秘密が明かされていきます。
そして、場面は学校の教室に移ります。
七子というクラスの女子が突然学校の屋上から飛び降りて自殺したことにより、クラス内は暗い雰囲気になっています。

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そこに、不登校だった如月民子が突然登校してきました。
七子は死ぬ直前に如月民子と会っていたことから、クラス内では如月民子が七子を殺したのではないかと噂されていました。

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突然現れた如月民子に、クラス内はざわつきます。
そして、教室に現れるなり「田辺曜子(たなべようこ)、三浦英子(みうらふさこ)、早川隼子(はやかわとしこ)」の3人の名前を呼んで去っていきます。

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三浦英子と早川隼子は、如月民子をいじめていたため、自分たちが復讐をされるのではないかと恐れます。

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その後、なぜか執拗(しつよう)に絡んでくる如月民子に、三浦英子と早川隼子、田辺曜子が翻弄(ほんろう)されていきます。

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謎だらけのまま進んでいくストーリー
- 如月民子は何を刺したのか?
- なぜ如月民子は3人の同級生を追いかけるのか?
- 七子はなぜ死んだのか?
- 如月民子はなぜ、死の直前の七子と会っていたのか?
主人公の奇妙なキャラクター
この漫画は、如月民子のクレイジーな行動がたびたび問題を起こします。
如月民子は、「黒い箱」の中に閉じ込められているような感覚の中で生きていて、それを解決するために「死」とは何かを見つけるために同級生たちを追い込んでいきます。
彼女の中の、子供っぽく人懐っこい部分と、荒っぽく人に暴力をふるう二面性がどのように生まれたのかも、この漫画の大事なポイントになっています。
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