天体望遠鏡の進化の歴史を描いたDVD「ガリレオからハッブルまで」

ガリレオからハッブルまで ドキュメンタリー
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ガリレオからハッブルまで 宇宙の果てを探る望遠鏡の旅」は、天体望遠鏡の進化を追いかけたドキュメンタリー作品です。

ガリレオの発見

1609年、イタリアの数学者ガリレオ・ガリレイは、当時話題になっていた発明、望遠鏡を自分で作ってみようと思いました。

ガリレオ・ガリレイ

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ガリレオ・ガリレイの発明した望遠鏡は8倍の倍率まで見ることができました。

ガリレオ・ガリレイが開発していた望遠鏡は、当初は軍事用に作っていたものでしたが、ある日何となく夜空を見上げてみると、それまで人類に知られていた星よりたくさんのものを見ることができました。

そして、まん丸だと思っていた月にクレーターや山、谷があることに気が付きました。

そして木星の周りに衛星があることが分かりました。

当時は「天動説」により、全ての星が地球の周りをまわっていると考えられていたため、木星の周りを周る星を見つけたことは世界に衝撃を与えました。
そして、金星が太陽の周りを周っていることも発見しました。

1650年代の進化

ガリレオ・ガリレイによる望遠鏡開発の後、科学者たちの望遠鏡開発競争は進み、1650年代、天体望遠鏡は5~6mある長いものに進化しました。
1660年頃には、長さは46mもあるものが生まれ倍率は50倍~100倍にまで進化していました。

アイザックニュートン

1668年、アイザックニュートンが、光そのものに注目したことにより、天体望遠鏡は大きく進化しました。
アイザック・ニュートン

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アイザックニュートンは、光を屈折させると7色に分かれることに気が付きました。
これまでの天体望遠鏡は、光が分かれてしまうことにより、くっきりとした映像を投影できなかったのです。
さらに、アイザックニュートンは、ガラスの代わりに鏡を使うことで光の屈折をさせずにくっきりと見える天体望遠鏡を作ることに成功しました。
現代の高性能な天体望遠鏡にも反射鏡が使われています。

ジョバンニ・カッシーニ

1670年代、天文学者のジョバンニ・カッシーニは、土星の周りにある輪っかが、複数の輪によって作られていることを発見しました。
ジョバンニ・カッシーニ

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輪が岩と氷の小さな粒の集まりであることは、1990年代にロケットが土星に飛んだ際に発見されました。

ウィリアム・ハーシェル

1781年、イギリスのクラリネット奏者ウィリアム・ハーシェルは、惑星ではなく恒星を見たいと考えました。

ウィリアム・ハーシェル

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ウィリアム・ハーシェルは、恒星を見るために巨大な反射鏡を使うことを考えます。

自ら反射鏡を磨き上げて新たな天体望遠鏡を作り上げました。
そして、ウィリアム・ハーシェルは、完成した天体望遠鏡で天王星を発見しました。
科学者ではない素人が、天体の大発見をしたことで、素人たちの間に天体観測ブームが発生しました。
ウィリアム・ハーシェルは、天の川を観測することで、銀河の存在を発見しました。
ただし、このときはまだ銀河の果てが宇宙の端っこであると考えられていました。

ロス卿

1842年アイルランドのウィリアム・パーソンズ伯爵ロス卿)は、筒の長さが18mという世界最大の望遠鏡を作りました。
そして、星雲が渦巻き状であることや、その内部に恒星があることを発見しました。

ジョージ・エラリー・ヘール

1903年、ジョージ・エラリー・ヘールにより、アメリカのウィルソン山の1700mの地点に世界一標高の高い天体望遠鏡が建設されました。
ジョージ・エラリー・ヘール

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直径2.5m、重さ4トンの史上最大の反射望遠鏡を備えていました。

この高性能望遠鏡により、それまでぼんやりとしか見えていなかった星雲の正体が分かってきました。

この天文台でエドウィン・ハッブルアンドロメダ大星雲を観測しました。

エドウィン・ハッブル

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そして、1923年、地球からアンドロメダ大星雲までの距離が80万光年あることを測定しました。

これまで宇宙の果てと考えられていた天の川銀河よりはるか遠くにあることが発見され、宇宙の広さが1000億倍に広がりました。

そして、宇宙が膨張していることに気が付きました。

この発見により、逆に膨張する前を考えると、ビックバンが起きて宇宙が誕生したという説が誕生しました。

電波望遠鏡

1964年、アーノ・ペンジアムスロバートウィルソン電波望遠鏡を作り上げました。

電波望遠鏡

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これにより天体の温度が観測できるようになりました。

この電波望遠鏡により、何もない真っ暗闇の宇宙空間で温度の変化があることが観測されました。

それは、宇宙背景放射と呼ばれる、宇宙誕生のなごりでした。

これにより宇宙の誕生のときには本当にビックバンが起こっていたことが証明されました。

ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機

2001年にウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機は、ビックバンの秘密に迫る宇宙背景放射を観測するため宇宙に飛び立ちました。

これにより、宇宙が誕生から137億年経過していることが発見されました。

ハッブル宇宙望遠鏡

1990年に宇宙船ディスカバリー号が打ち上げられました。

ディスカバリー号

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ディスカバリー号に搭載された重さ12トンの巨大なハッブル宇宙望遠鏡は、地上から600kmの軌道に乗せられました。

直接宇宙に置かれた天体望遠鏡は、これまでとは比較にならないほど精密に天体を観測することができます。
ハッブル宇宙望遠鏡

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ハッブル宇宙望遠鏡は、地球から観測するときのチリや大気の影響を受けずに観測できるため、様々な宇宙の神秘的な瞬間を納めることに成功しました。

ハッブル宇宙望遠鏡

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そして、ハッブル宇宙望遠鏡は、今まで見えなかった宇宙の果てに、信じられない数の銀河があることを発見しました。

現代の調査

現在、ハッブル宇宙望遠鏡は、他の天体望遠鏡と協力し、ダークエネルギーの調査を進めています。
宇宙が膨張するスピードを計測する過程で、膨張するスピードはどんどん速くなっていることが分かりました。
その膨張するスピードを支えているのが目に見えないダークエネルギーであると考えられています。
そのダークエネルギーを観測するため世界中の科学者たちが全力を尽くしています。
まだ、宇宙の内観測できているものは5%に過ぎず、95%は観測できていません。
これからも、まだまだ宇宙の謎を解くための世界中の科学者による天体観測は続きます。

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