世界中で愛されるウイスキー「ジャックダニエル」は、1866年に米国で初めて政府に登録された蒸留所で作られています。
その製造の秘密に迫った貴重な映像がナショナルジオグラフィック社によるDVD「ジャックダニエル 伝統の製法と味に迫る」です。

©ナショナルジオグラフィック社
ジャックダニエルが作られている場所
ジャックダニエルという人物が初めて作ったウイスキーですが、実は製造開始当時の資料が残っておらず、詳しいことは分かっていません。
アメリカのテネシー州で作られています。
工場はテネシー州のウィンチバーグという小さな町で創業当時から今でも作られています。
世界一のウイスキー工場の施設
ジャック・ダニエルを作る7.3平方キロメートルの工場の敷地には9つの施設があります。
- 泉がわく洞窟
- 穀物の粉砕所
- 発酵所
- 蒸留所
- 炭焼き場
- 炭ろ過所
- 樽詰め所
- 倉庫
- ボトリング工場
従業員は370人です。
作られるウイスキーは130の国に運ばれます。
ジャック・ダニエルの種類
ジャックダニエルには3種類あります。
- オールドナンバー7
- ジェントルマンジャック
- シングルバレル
オールドバレルだけで年間1億5000万本が作られます。
世界一飲まれているウイスキーの製造工程
全ての作業行程は最新のコンピューターで制御されています。

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泉から湧き水を取る
洞窟の湧き水は、石灰石によりろ過されているため、鉄分を含みません。

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鉄分はウイスキーを黒く、苦くするため、水が重要になります。
穀物の粉砕
ウイスキー作りに必要なデンプンのほとんどは、コーンから採られます。

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そして、ウイスキーの風味はライ麦から採られます。
コーン80%、残りがライ麦と大麦麦芽です。
ハンマーミルといわれるハンマーの機械でコーンは粉砕され、粉状にされます。
ライ麦や大麦麦芽も同様に粉砕されます。
発酵作業
ウイスキーを発酵させる酵母菌は150年前から続くジャックダニエルの伝統です。

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他の菌が混ざらないように、徹底した無菌状態で管理されています。
泉から採れたきれいな水と、粉砕された穀物、酵母が発酵所で混ぜられて発酵させられます。

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蒸留所での作業
発酵してビール状になったものは、蒸留所に運ばれて、蒸留器により濃度の高いアルコールが抽出されます。

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これにより透明な水の状態の高濃度アルコールが生まれます。
炭ろ過作業
炭ろ過所に運ばれた高濃度のアルコールは、炭焼き場で炭となったサトウカエデに1滴ずつゆっくりと漬けられて、不純物がろ過されます。

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この作業は6日間にも及びます。
熟成作業
そして、自社製の特製タルに入れられて保管されます。

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このタルは、アメリカのホワイトオークで作られ、内側を炎で焦がしているため、中のウイスキーにジャックダニエル独特の風味と色を与えてくれます。
倉庫に運ばれたタルの中で、熟成されます。
数年間倉庫で寝かされてジャックダニエルは完成しますが、寝かしすぎても苦みが出るため常に現在の熟成状態を細かく見て、品質管理が徹底されます。

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瓶詰め作業
長い期間の熟成を経て完成したウイスキーは、瓶詰め工場に運ばれます。

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ラベルが貼られたジャックダニエルは、マスター・テイスターにより味の確認を受けて、世界中に運ばれていきます。
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