2006年のNASAの報告により、地球に衝突する可能性のある小天体が2万個もあるということが発表されました。
その中で、2029年に小惑星「アポフィス」が地球に衝突する可能性があることが発表されました。
追跡調査の結果、アポフィスは地球から32500kmというギリギリの距離を通過していくことが分かりました。
ハワイ州マウイ島にあるハレアカラ天文台では、毎日地球に衝突する可能性のある天体を観測し続けています。

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「コズミックフロント インパクト 迫りくる天体衝突」の内容を解説しながら、いつか必ず地球におとずれる滅亡の日について考察します。
地球にはすごい数の天体が衝突している
地球は毎日、何百万個もの砂粒や小さな天体が衝突しています。
それが流れ星です。
100年前に起こった巨大な天体の衝突
1908年6月30日、シベリアのツングースカで巨大な爆発が起こりました。
東京都と同じくらいの広さの森の木が、同じ方向に倒れていました。

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小惑星の衝突が原因と考えられましたが、小惑星の破片はどこからも見つかりませんでした。
その後、1991年の再調査で、衝突地点から8km離れた湖を調査します。
このチェコ湖と呼ばれる湖こそが、小惑星の衝突で作られたものではないかと考えられたからです。
湖の底の形状から、小惑星の衝突により地形が曲がっていることが分かりました。
しかし、小惑星の破片はどこにも見つかりません。
その後、さらにスーパーコンピューターで計算したところ、50m(18階建てのビルほど)の大きさの小惑星が上空で爆発したことが分かりました。
爆発の際24700℃に達した小惑星の破片は跡形もなく消え去ってしまいました。
計算の結果、小惑星の衝突があと4時間遅れていたら、首都サンプトペテルブルクは壊滅していたことも分かりました。
恐竜を滅ぼした小惑星の衝突
現在、小惑星が衝突した跡であるクレーターは、地球上で確認されているだけで176あります。
メキシコのコカタン半島には、170kmのクレーターがあります。
この6000万年前のメキシコでの小惑星衝突が原因で恐竜がほろびました。
この時は、10kmの大きさの小惑星がぶつかりました。
小惑星が地球にぶつかる確率
10kmの小惑星は1億年に1度起こるくらいの確率だといわれています。
1kmの小惑星でも核爆弾くらいの破壊力があります。1km級の小惑星は数十万年に1度の頻度で地球へぶつかると考えられています。
もう少し小さい数百メートルの小惑星であれば、都市を一つ消滅させるほどの威力とされています。
これくらいのサイズであれば、数百年に1度地球にぶつかる計算になります。
世界中の科学者が地球に衝突する小惑星を調べている
地球に衝突する可能性がある小惑星を把握するため、世界中の科学者が小惑星探しに力を注いでいます。
日本では、岡山にある観測センターで調査が行われています。
6人の交代制で常に観測し続けています。

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10年前であれば、小惑星の衝突は映画の中での話であり、現実的ではないと思われていました。
しかし、科学者たちの努力により現在では、目の前にある危機であることが把握されつつあります。
小惑星の衝突を回避できる科学力を人間が持つことができるのか、その前に巨大な小惑星が衝突して滅びてしまうのか、人間による自然への挑戦は続いています。
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