2011年7月8日アトランティス号が打ち上げられました。
これがスペースシャトルの最後の打ち上げでした。

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「コズミックフロント 人類の夢を紡いだ宇宙船~スペースシャトル30年の軌跡~」を元に、スペースシャトルの誕生から最後の瞬間までの歴史を解説します。
5機のスペースシャトル
スペースシャトルは、1981年初フライト以来、30年間地球と宇宙を往復してきました。
アメリカのスペースシャトル5機
- コロンビア
- チャレンジャー
- ディスカバリー
- エンデバー
- アトランティス
この5機は、宇宙旅行をけん引してきました。
スペースシャトルには20トンの重量の物を運ぶことができる貨物室があります。
これまでハッブル宇宙望遠鏡、国際宇宙ステーションなど、人類の歴史上重要な物を運んできました。
14名の命との2機のシャトルを失いました。
スペースシャトル開発の歴史
1960年代は、アメリカとソ連の宇宙開発競争が激化していましたが、1969年にアポロ11号が月面着陸をしたことにより、終止符が打たれました。
その後は、ベトナム戦争の長期化のため、宇宙開発にかかる予算は削られていきました。
よりお金のかからない、再利用可能なパーツで宇宙船を作る必要がありました。
それがスペースシャトルの開発です。
これまでのロケットは、多段階式でパーツを切り離しながら軽量化して推進力を得ていました。
切り離しをしない方法にするため、エンジンのパワーアップと軽量化が両方必要でした。
10年の歳月をかけて、スペースシャトルが完成しました。

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スペースシャトルの初フライト
1981年4月、スペースシャトルの初フライトをコロンビア号が行いました。

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打ち上げから40分後、スペースシャトルは地球周回軌道上に到達し、2日間かけて地球を36周した後、無事地球へ帰還しました。
最初は乗り込めるのは2人だけでしたが、改良が続き、7人まで宇宙飛行士を乗せることが可能になりました。
スペースシャトルで起きた悲劇
1986年1月28日、突如悲劇が起きます。
チャレンジャー号が離陸から73秒後、大爆発を起こします。

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乗組員7人の命は失われました。
アメリカが宇宙船で死亡者を出したのは初めてのことでした。
ロケット内のオーリングと呼ばれるゴムの部品が氷点下以下の寒さで固まってしまい、ガスが外に漏れたことが原因でした。
オーリングの数を増やし、さらなる改良を進め、新しい宇宙船に生まれ変わりました。
スペースシャトルの打ち上げ再開
チャレンジャー号事件から2年8か月後の1988年9月29日、スペースシャトルの打ち上げが再開されました。
ディスカバリー号は、見事に宇宙へ飛び立ちました。

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1998年にはスペースシャトルにより宇宙ステーション作成が進められました。
2度目の悲劇
2003年1月宇宙でコロンビア号が様々な化学実験が行い、2月に地球へ帰還するとき、突然空中分解し、7人の宇宙飛行士の命が失われました。

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打ち上げの際にはがれた断熱材がスペースシャトルの翼に当たり、大きな穴が開いていたことが原因でした。
スペースシャトルの打ち上げ終了
それでも2年後、スペースシャトルの打ち上げは再開されました。
安全を期すために、帰還のたびに整備費が膨張し、1回のフライトで800億円かかるようになりました。
そして、スペースシャトルの運行が終了することが発表されました。
2011年7月、地球を2万回以上回ってきた5機のスペースシャトルがその役目を終えました。
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