ハッブル宇宙望遠鏡が泡状に並んだ無数の銀河の謎に挑む

コズミックフロント ハッブル宇宙望遠鏡 ドキュメンタリー
©NHKエンタープライズ

宇宙にバラバラに広がっていると思われていた銀河が、実はある法則性を持って並んでいることが、ハッブル宇宙望遠鏡の観測によってわかってきました。

コズミックフロント ~発見!驚異の大宇宙~ハッブル宇宙望遠鏡 銀河の泡の謎に挑む」では、その銀河の壮大な秘密に挑みます。

ハッブル宇宙望遠鏡はどう使われている?

アメリカ、メリーランド州にあるNASAゴダード宇宙センターからハッブル宇宙望遠鏡への指令が行われています。

どの天体をどのくらい撮影するか、秒単位で決められてデータが送信されます。
何を観測するのかは、一般に公募されており、毎年1000件くらいの応募の中から審査を通った200件程度が採用されます。
採用された案件が、どのくらいの時間ハッブル宇宙望遠鏡を利用できるか細かく決められます。

ハッブル宇宙望遠鏡が宇宙の景色を変えた

1990年、スペースシャトル・ディスカバリー号に乗せられてハッブル宇宙望遠鏡は宇宙へ飛び立ちました。

地球の衛星軌道上にあるハッブル宇宙望遠鏡は、大気の影響を全く受けないため、はるか彼方の天体を鮮明に映し出すことができます。

オリオン星雲

©NHKエンタープライズ

泡状の銀河?

ハッブル宇宙望遠鏡が挑んでいるのが、銀河の分布の謎です。

謎の銀河

©NHKエンタープライズ

泡のように並んだ大量の銀河、なぜ宇宙がこのような形になったのかの謎に迫ります。

宇宙が泡の形をしていると、アメリカの新聞で発表されたのが1986年です。

銀河の距離を調べ、3次元で100万個の銀河を並べなおしてみたところ、銀河が密集する場所と、全く存在しない場所があることが分かりました。

ハッブル宇宙望遠鏡を使い、遠くの銀河を観測すると、20億年前の銀河は泡のように密集していましたが、60億年前の銀河は泡構造をしていないことが分かりました。

宇宙ができた頃は泡状ではなく、次第にそうなっていったことが分かります。

さらなる調査の結果、銀河が泡構造をしている場所には、目に見えないダークマターが同じ泡構造をして存在していることが分かりました。

ダークマター=暗黒物質は、ほとんど解明されていない未知の物質です。
これから、ダークマターに関する調査が進めば、宇宙の変化の謎がより鮮明にわかってくると考えられています。

星とガス

星は宇宙に漂うチリやガスが集まってできると考えられています。

生まれた星の命は永遠ではありません。

死ぬときにも大量のガスを吐き出します。

これも、ハッブル宇宙望遠鏡による観測で分かったことです。

ガスを出す星

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