桂離宮は、日本の美の究極と呼ばれる建物です。
江戸時代初期、八条宮智仁・智忠親王父子が50年かけて造営した建物です。

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ほとんどカメラが入ったことがないこの未知の建物に、2007年秋NHKが入り、撮影したのが「桂離宮 知られざる月の館」です。
桂離宮が造られた理由
17世紀、徳川幕府が武家政権を確立した時期に桂離宮の建築が始まりました。
当時は、既に皇族の力はなく、政治からは遠ざけられていました。
しかし、王朝の美しい文化を絶やしてはいけないと、建てられたのが桂離宮です。
本阿弥光悦や俵屋宗達など、江戸時代に活躍した、素朴な美しさを表現する者たちの思想を参考に建設されました。
美しい桂離宮の映像
京都市西京区の広さ2万坪の敷地内に桂離宮はあります。
庭園にある石は「あられこぼし」と呼ばれています。

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一つ一つ平らな面を上に向けて丁寧に敷き詰められています。
美しく、歩きやすい作りになっています。
一番最初に建築された古書院は、限りなく簡素な作りになっています。

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ここには、客が入る二の間と、主人が座る一の間があります。
古書院の奥の中書院は、自らが居住する用の部屋です。

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月見台があり、外の景色を見ることができる、当時ではとても独創的なものです。

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壁の水墨画は、狩野探幽が描いたものです。
中書院のさらに奥には、後水尾天皇を招き入れるための新御殿が建てられています。

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庭へ出ると、1800個の石が並べられています。

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近畿や紀州、四国などから選りすぐりの石が運ばれてきています。
庭の先には、落差が20cmしかない小さな鼓の滝があります。
平たい石を直角に組み合わせることで、滝の美しい音が出るように設計されています。

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庭には、かやぶき屋根の茶屋、松琴亭があります。

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笑意軒は、里の農家の家を思わせる造りです。

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外には水田が広がっていて、農業の風景が部屋から見られるようになっています。
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