ほ乳類は恐竜が生まれた時代に一緒に初めて現れました。
巨大な恐竜が歩き、世界を支配していた時代に、どうやってほ乳類は生き延びてきたのでしょうか。
参考資料:DVD「生命進化の謎」シリーズ「ほ乳類はどこから来たのか」
近年見つかった化石がほ乳類の常識を変えた
見つかった初期のほ乳類の化石は極めて小さなものばかりだったため、最初ほ乳類は小さいもので、恐竜絶滅後に巨大化したものだと考えられていました。
しかし、2004年に中国からレペノマムスという白亜紀時代のほ乳類の化石が大量に見つかりました。
レペノマムスはオオカミくらいの大きさがあります。

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驚くべきことに、レペノマムスは逆に小さな恐竜を食べて生活していたことが研究により分かりました。
ほ乳類の特徴
- 乳腺があること
- 体毛があること
- 耳とあごの骨が独立していること
ほ乳類の先祖にさかのぼって考える
2億5000万年、三畳紀に、「ほ乳類型は虫類」というほ乳類の先祖が現れたのが最初です。
その中には、トリナクソドンという動物がいました。

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耳はなく、は虫類のように体の横に足がついているのが特徴ですが、ほ乳類のように体毛が生えていました。
三畳紀のトリナクソドンが現れる少し前に、地球上の動物の7割が大量絶滅しました。
その後に、恐竜時代が始まるのですが、トリナクソドンは地下に巣穴を作り休眠していたため、この大量絶滅を逃れ、そのおかげで、ほ乳類は進化することができたと考えられています。
恐竜時代に繁栄したほ乳類
白亜紀の巨大恐竜が栄えた頃、繁栄していたほ乳類が、エオマイアスカンソリアです。

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体調15cmのほ乳類は、恐竜たちの格好の獲物でした。
エオマイアスカンソリアは、木登りが得意で、木の上に巣を作って生活できたため、恐竜たちの追跡を逃れることができたと考えられています。
その歯の形状から、小さな昆虫を食べて生活していたと考えられています。
白亜紀に繁栄した、ボラティコテリウムは、ムササビのように皮膜を広げて、空中を滑空することができました。

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それまで、空を飛ぶほ乳類は、5000万年前に現れたコウモリが最初だと考えられていたため、ボラティコテリウムの化石の発見は、これまでの古生物学の常識をひっくり返しました。
1億2000万年前に生息したリアオコノドンは、耳の骨が頭の骨から独立していることが分かりました。
これにより、ほ乳類の聴力は飛躍的に上がり、敵から逃げる能力が格段に上昇したといわれています。
ヒトへの進化につながる有胎盤類の出現
ほ乳類の中でも、現在の人間のような霊長類に直接つながる有胎盤類はジュラ紀、白亜紀には存在していなかったと考えられていました。
しかし、近年の高性能コンピュータでDNAデータを解析した結果、有胎盤は白亜紀に存在していたはずだという研究結果が得られました。
しかし、これを裏付ける化石の発見はまだされておりません。
有胎盤類が白亜紀に存在した証拠が出てきた
2011年、ジュライマイアシネンシスというほ乳類の化石が中国のジュラ紀の地層で発見されました。
1億6000万年前に生息したジュラマイアシネンシスは有胎盤類であり、これまで発見された最古の有胎盤類より3000万年も古いものでした。
少しずつ、2億5000万年前に有胎盤類が存在したという科学データと、それを裏付ける化石との間が埋められていっています。
今後、さらなる発見により科学データに化石の発見が追いつくことが期待されています。
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