イースター島はかつて地上の楽園でした。
1000年に渡って巨大な文明が栄えていました。
広さ170kmくらいの、南米大陸の西に4400キロの場所にある絶海の孤島です。
かつてはビル3階建ほどの巨大なモアイ石像を作る、高度な文明を持っていました。

©ナショナルジオグラフィック
しかし、400年ほど前に起こった様々な事件により、その文明は崩壊してしまいます。
参考資料:ナショナルジオグラフィック「イースター島 文明崩壊の謎」
最初の移住者たち
最初にイースター島に定住したのはポリネシア人であったことが確認されています。
コロンブスが世界を1周する数千年前に、ポリネシア人は船を作り、数千キロの大海原の旅に成功していたのです。
最盛期には人口20000人に達していたと考えられています。
住民たちの生活に変化が現れる
人が住む前のイースター島は火山活動が活発で、溶岩のおかげで島中には無数の洞窟が地下に眠っています。
かつては、イースター島に住む人々は地上に家屋を作って生活していましたが、次第に地下に住むようになりました。
人が住んでいた洞窟には、いくつもの入り口があり、要塞のように入り組んでいます。
また、黒曜石を削った槍の矛先が大量に出土しています。

©ナショナルジオグラフィック
しかも、1か所や2か所ではなく、島中のいたる村から槍の矛先が出土しています。
イースター島には、槍を使ってとる大きな獲物は存在していません。
つまり、島の中で人間同士の争いがあったため、武器が大量に作られていたのです。
洞窟の入り組んだ地形も、敵から姿を隠し、逃げるためでした。
なぜ争いが始まったのか
洞窟内から600年前に存在したヤシの木が発見されたことから、当時は岩肌だらけの島ではなく、木々が生い茂った島であったことが分かっています。
地表には湧き水があり、小川もありました。
人が生活するのに便利な状況でした。
人々は木を切り倒してモアイ像を運ぶための車輪代わりにしました。
それが、イースター島の巨大ヤシの絶滅を早めたといわれています。
そして、もう1つ、爆発的に繁殖したネズミがヤシの種子を食べたおかげで、木が生えなくなってしまいました。
わずか200年で巨大ヤシが島から消えてしまいました。
巨大なヤシの木がなくなってしまうと、塩害により島の作物が育たなくなってしまいます。
仕方なく地下に菜園を作り、何とか生活していきました。
イースター島の周りにはサンゴ礁がなく、遠くの海に漁に出る必要がありました。
彼らの食べる魚はイルカやマグロでした。
しかし、巨大なヤシの木がなくなり、船を作ることができなくなってしまいました。
その後は、島の鳥を食べて生きていましたが、それも次第に少なくなり、どんどん食料はなくなっていきました。
資源が少なくなると、その奪い合いのため部族同士の争いが起こります。
争いが終わる
戦いに勝った部族は、倒した部族のモアイ像を倒し、首を斬り、目を削り取りました。
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