世界が注目する上野動物園の伝説の動物飼育員・細田孝久

プロフェッショナル仕事の流儀 細田孝久 ドキュメンタリー
©NHKエンタープライズ

上野動物園の細田孝久は、伝説の動物園飼育員と呼ばれ、海外からも注目を集める人物です。

細田孝久

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参考資料:DVD「プロフェッショナル仕事の流儀 動物飼育員 細田孝久の仕事

細田孝久の観察力

朝8時に出勤した細田孝久は、動物たちの元へ直行して、夜の間に異変がなかったかを確認します。

それから、事務所で食事を済ませます。

朝起きて3分で家を出て、まず動物を確認してから、自分の朝の活動。

動物のことが気になって仕方がありません。

エサは動物によって細かく配合が決まっています。

とにかく細田孝久は徹底的に動物を観察して、わずかな変化を見逃しません。

その能力によって、動物たちの病気やケガを誰よりも早く見つけ出してきました。

表情、鳴き声、エサの食べ方、体の様子など、普通の飼育員であれば見過ごしてしまうものを、データを取り観察し続けます。

若い日の失敗

細田孝久は、小学生の頃から動物が大好きで、身近な生き物を片っ端から飼育してみました。

細田孝久の幼少期

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大学卒業後、会社勤めをしますが、動物と触れ合う仕事がしたいと、1年で退社し、つてをたどり動物園で働かせてほしいと頼み込みます。

飼育員の空きがありませんでしたが、給料はいらないと食い下がり、働かせてもらいます。

1日500円の日当だったため、貯金を切り崩しながら生活し、半年後に正式に飼育員として雇ってもらいました。

5年後、インドサイのつがいを担当できることになりました。

これが、細田孝久の飼育員人生のターニングポイントでした。
インドサイ

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気難しい性格でしたが、世話をするのが楽しくて仕方ありませんでした。

育て始めて1年後、サイがやせ始めます。

食事が食べにくいせいだろうと、草を細かくして与えますが、どんどんやせほそっていきました。

詳しく調べていると、体調不良ではなく、老衰で体が弱り切っていたのです。

慌てて栄養価の高いエサを与えますが、受け付けませんでした。

 

自分が楽しいばかりで、動物をちゃんと見ていなかったことに気が付きました。

寝床への誘導に使っていた黒砂糖をおにぎりに入れて与えてみることにしました。

数時間ごとにおにぎりを作り食べさせ続けました。

そして4日後、サイは立ち上がりました。

周囲の者は奇跡だと言いました。

 

動物を見るとはどういうことか。とことん見なければ飼育はできない。それをサイが教えてくれました。

細田孝久の言葉

「野生の動物はどんどん滅びていって、そのなかで動物園っていうのは少しでも動物を、お客さんに実物を知ってもらうということと研究なり科学的に動物を解明して将来的に少しでも野生動物を救えるような、そういう場所になればいいなと思います。」

 

プロフェッショナルとは?という質問には次のように答えました。

「とことんなんでも自分が納得できるまでやるということじゃないかと。できればそれを淡々とね、もうなんかさらりと、別に騒ぎもせずに普通にやっちゃうことかなと思いますけど。」

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