恐竜より前に存在した巨大昆虫はなぜ絶滅したのか

巨大昆虫 ドキュメンタリー
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今から3億6000万年前~3億年前まで、地球は石炭紀と呼ばれる時期でした。

まだ恐竜が現れる前のこの時代に、最も繁栄した動物が、巨大な昆虫です。

 

参考資料:DVD「生命進化の謎 LIFE ON EARTH, A NEW PREHISTORY 巨大昆虫はなぜ絶滅したのか」

なぜ巨大昆虫が繁栄したのか

石炭期は温暖化が非常に進んでいました。

温暖化が進むと熱帯系の植物が大量に成長します。

植物が大量に成長し、その木が死ぬと地面に落ちて炭化するため、石炭紀と呼ばれています。

そして、二酸化炭素が増大すると、植物は光合成をし、大量の酸素を吐き出します。

そのおかげで、当時は人間が生きていけないほどの酸素濃度の高さでした。

酸素濃度が高くなると、太陽光の赤色の反射が強くなるので、当時、空の色はセピア色だったと言われています。
セピア色の空

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まだ恐竜が存在しなかったこの時代、最も進化した動物が昆虫です。

高い酸素濃度の中で、昆虫たちは巨大化していきました。

石炭紀に登場した巨大昆虫

アースロプレウラはムカデの仲間で大きいものでは3mを超えていました。

アースロプレウラ

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アースロプレウラは、1900年代の鉱山の採掘中に見つかりました。

植物を食べる巨大昆虫でした。

 

メガネウラはトンボの仲間で65cmもありました。

メガネウラ

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空を飛ぶ昆虫の中ではこれまで見つかった中で最大です。

1880年代にフランスの石炭採掘所で見つかったメガネウラが巨大昆虫の初めての化石でした。

当時のフランスのメガネウラがいた場所は、全て沼地だったと考えられています。

時速65キロで飛んだと考えられます。

その大きな体を維持するため、30分に一度、獲物をとって食事をしていたと考えられています。

1日の大半を食事のために飛び回る必要がありました。

しかし、大量の巨大昆虫がいた時代にはエサには困りませんでした。

巨大昆虫の絶滅

2億9000万年前~2億5000万年前のペルム紀になると、大気中の酸素濃度は35%から23%まで下がりました。

雨が多く、菌類が繁殖しました。

そうなると、死んだ木は落ちて炭化せず、菌により腐食するため、二酸化炭素を放出しなくなります。

相対的に植物の光合成が減り、酸素濃度は下がっていきます。

酸素濃度の低下により、巨大昆虫たちは滅びていったと考えられています。

生き延びた巨大昆虫

西暦2000年代に、ペルム紀の地層からも巨大なメガネウラの化石が見つかりました。

ペルム紀は石炭紀の次の世代のため、既に巨大昆虫は滅びたと考えられていました。

メガネウラが生き延びた理由

昆虫には肺がなく、気管を通して体中に酸素が送られます。

昆虫が巨大化すると、気管が大きくなる必要があるのですが、メガネウラは空を飛ぶため気管がそこまで大きくなくても羽の動きにより体中に酸素を運べたため、他の巨大昆虫よりも酸素濃度が低い中でも生き延びることができたというのが一つの説です。

メガネウラ絶滅の理由

ペルム紀末期になると、セルロソラバスという空を滑空できる爬虫類が登場しました。

このセルロソラバスにより、メガネウラのエサになる昆虫が捕食されたことが、メガネウラの絶滅の一つの要因ではないかと考えられています。

そして、アンキオルニスのような翼竜の登場により、昆虫以外の羽で羽ばたくことができる生き物が出てきました。

アンキオルニス

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これによりメガネウラのエサとなる動物はさらに奪われていきました。

 

もう1つ別の説として、アルカエフルクトゥスという、被子植物の誕生がメガネウラの絶滅の一つの要因という新説もあります。

アルカエフルクトゥスは、地球で最初に生まれた花を咲かせる植物です。

枯れた花は、水中に落ちます。

その落ちた花を水中の微生物たちが食べます。

微生物は酸素を消費するため、水中で育つメガネウラのヤゴが酸素不足で育てなくなってしまった、という説です。

巨大昆虫は、まだまだ存在する?

巨大な恐竜でさえ、化石は少ししか見つ

かっておらず、まだまだ未知の部分が多い状況です。

それより前の時代に存在した巨大昆虫については、ほとんど解明が進んでいないといってもいいくらいです。

今後、さらなる化石の発見と科学の発達により、遠い昔の巨大昆虫が次々と見つかるかもしれません。

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