木のお医者さん、樹木医という仕事をご存知でしょうか。
あしかがフラワーパークで働く塚本こなみは、43歳のときに、日本で女性で初めて樹木医となった人です。

©NHKエンタープライズ
この記事の参考資料「プロフェッショナル 仕事の流儀 藤の老木に命を教わる 樹木医 塚本こなみの仕事」
塚本こなみの仕事
塚本こなみが働くあしかがフラワーパークには、たたみ500畳分もの大きさに広がる巨大な藤の花があります。

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このパークの樹木医であり、園長でもあります。
樹木医はどんな仕事をするの?
木づちで樹木を叩きながら、音を聞き、小さな変化を見つけます。
ボソボソと鈍い音が鳴ると木が腐っている証拠です。
腐っている部分をそぎ落とし、全体を守ります。
花に付いた小さな虫を顕微鏡で調べて特定し、害虫と判断すればすぐに消毒します。
人間でいうところの予防医学です。
日本中から依頼が舞い込む
塚本こなみの元には、日本中の樹木関係者から樹木再生の依頼が舞い込みます。
現地に行き木や土の様子を徹底的に調べて可能な限り木を再生させることを考えますが、ときには周りの木を守るために伐採するというつらい決断を下すこともあります。
塚本こなみは、「手当て」といって、木に自分の手を当てて木の様子を探ることを大事にしています。
樹木医を目指したきっかけ
塚本こなみは、24歳のときに、造園業を営む夫と結婚しました。
3人の子だからに恵まれ、子育てのかたわら、夫の造園業の経理を手伝いました。
次第に造園の現場にも足を運ぶようになり、樹木の美しさに心をひかれていきます。
その頃、樹木医の資格がはじまり、猛勉強して取得しました。
どんな仕事も引き受けて、体当たりで仕事にのぞみました。
2年後、樹齢400年の藤の大木の移植を行うという前例のない仕事が舞い込みました。
あれこれと、悩んだ挙句、人間が骨を折ったときに使うギプスの材料である石膏で固めて藤の木を運ぶという作戦を思いつきます。
どうやって移動させるのかを毎日悩み、「なぜこんな仕事を受けてしまったのだろう」と考え続けました。
翌年、藤の木は新しい場所で大輪の花を咲かせました。
塚本こなみの名言
「木を治療してやると思うとできない。木に教えて下さいと思うとできる。」
プロフェッショナルとは?という質問には次のように答えました。
「一生この道を究めてみたいと思い続ける人。ここまで行っても、究めきれない道なんですけど・・・、でも究めてみたい。」
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