6年間で国公立大学への進学率を20倍以上に増やし、全国の教育関係者から「堀川の奇跡」として注目を浴びた京都市立堀川高等学校。
その驚異の学校改革を行ったのが、校長・荒瀬克己(あらせかつみ)です。

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参考資料:プロフェッショナル 仕事の流儀 背伸びが、人を育てる 校長 荒瀬克己の仕事
何が学校を変えたのか
京都市立堀川高等学校は、2001年には国公立大学への進学者が6人でした。
それが2007年には132人になりました。
毎年30人以上、生徒の7人に一人が京都大学に合格するという奇跡を成し遂げました。
特別な授業はなく、教科書も一般的に使われているものだけです。
堀川高等学校には、他の学校にはない、生徒が自分が調べたいことをとことん研究できる「探究科」というクラスがあります。
どんなテーマを選び、どんな実験を行うのか、全て生徒が決めて実行します。
この授業が生徒の心に変化を及ぼしました。
このクラスができてから、自ら率先して勉強する子供が劇的に増えました。
起死回生の学校改革
22歳のときに学生結婚をした荒瀬克己は、生活のため学校教師になりました。
32歳のときに堀川高等学校に異動になりました。
公立高校は、年を追うごとに国公立大学への進学率が下がり、「公立高校は4年生」と言われていました。
有名大学に行くためには私立高校へ行くのが当然という社会の流れがありました。
どうすれば、自由な公立の良さを残しつつ進学ができる学校が作れるのかを考え続けました。
荒瀬克己は教育委員会に異動となり、学校改革のための方針をまとめる役になりました。
平成11年堀川高等学校に教頭として現場に戻った荒瀬克己は、教員総出で生徒の「知りたい」にぶつかっていきました。
生徒たちの心に変化が訪れました。
「しんどいけど勉強っておもしろい。」
堀川高等学校の奇跡はここから始まりました。
荒瀬克己の言葉
「渦中に入ると見えなくなるというのがあるでしょう。だからリーダーは渦中に入ってはいけない。」
プロフェッショナルとは?という質問には次のように答えました。
「やるべきときにやるべき場所にいて、やるべきことをしっかりする人。そして人事を尽くして天命を待つ。そういう人だと思います。」
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